「連携診療システム」についてのお願い
兵庫県立がんセンターは、国から都道府県型がん診療連携拠点病院として指定され、高度な診療機能を担う兵庫県の中心的な病院です。従って、今後とも医療従事者と患者さん双方から信頼・支持されるように、がん診療に関して患者さんがどこにいても医療の質や安全が途切れることのないような医療体制を構築していく必要があります。そのためには患者さんが生活している地域の医療機関と当センターが、患者さんを中心としてそれぞれの役割を分担し、なおかつ情報を共有し連絡を取り合うことが求められます。こうした地域の医療機関と当センターがチームを組んで診療にあたるシステムが『連携診療システム』です。
この『連携診療システム』は、患者さんが診療に必要な水準が確保されて不安を抱くことなく安心して切れ目のないがん治療を受けられること、また過度な通院の負担や長時間の待ち時間を軽減できること、さらに日々の生活により添った場所でがん以外の併存疾患を含めた健康管理も適切に提供されること、などを目的として運用されています。これを実現させるためには、地域の医療機関と当センターががん診療に関する最新の医学情報とともに個人情報に配慮しながら患者情報を共有し、必要に応じて相互に行き来し、さらに共同して診療やサポート・指導に参画することが必要となります。
当センターでは平成20年6月に『連携診療システム』を整備し、地域の医療機関や医師会と協議をしながらその登録医制度を進めており、令和2年6月の時点で450件を越える医療機関にご登録をいただいています。
この『連携診療システム』を通して紹介・外来予約、地域連携パスの活用・整備、各種病態やサポートのご相談、関連疾患の研修会・講演会の開催のお知らせなども含めてさらに幅広く活用していただけるように随時整えていきたいと考えておりますので、今後ともご理解・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
令和2年7月
兵庫県立がんセンター 院長
「連携診療システム」の運用
質の高い医療を効率的に提供するために、病院と診療所および病院同士の機能分担と連携が推進されています。
当センターも都道府県がん診療連携拠点病院としての役割や機能を果たすために、地域の診療所(かかりつけ医)や病院との連携を推進しています。ご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申しあげます。
「連携診療システム」って何?
当センターでは、地域全体の医療機関同士が手を取り合って患者さんを支えるがん医療体制を「連携診療システム」と呼び、その充実に努めています。
診療所や病院から紹介を受けた患者さんに対して、当センターはがん診療に関する高度な専門的診断や治療を行い、治療後や症状が安定した後は原則として紹介元の診療所(かかりつけ医)や病院等へ連携し、そこで継続的に治療や経過観察をしていただきます。
このように当センターは全県型および、紹介・予約型の専門病院として、地域の医療機関の患者紹介を円滑に引き受け、治療後は地域の医療機関に連携してまいります。そのために地域医療機関とともに、お互いの専門性を含めた診療状況を相談しながら頻繁な情報交換や、在宅医療の支援機能の整備などを進める予定です。
患者さんやご家族への説明は?
患者さんやご家族に対して、当センターへの入院・退院時など適切なタイミングで、当センターの地域医療連携室または担当医から「連携診療システム」によって地域の医療機関とチームを組んで診療にあたることを説明します。症状安定後は、紹介元や自宅近くの医療機関と当院の間で継続した検査・治療を受けること、当センターが専門的治療に対して継続的に支援することなどをご理解いただき、患者さんが不安を持たれることのないよう努めます。
定期的な検査や入院が必要な場合は?
当センターでの治療を終えた患者さんについては、連携する医療機関と共同で治療計画書を作成して、定期フォロー検査を含め、原則として地域で診療していただくことになります。(紹介元医療機関がCT等をお持ちでない或いは検査等ができないときは、地域の病院と提携して検査する計画書も想定されます) 連携医療機関の医師が患者さんの病状等によって、当センターでの検査・治療や入院を必要とすると判断された場合は、当センターが担当(支援)致しますので、速やかに当センターの地域医療連携室にご連絡ください。
紹介元の診療所等(かかりつけ医)がない場合は?
かりつけ医がなく、または非紹介で診断・治療を始めた患者さんの場合は、連携診療システム登録医情報により、専門性や受入れ可能病態を考慮した上で患者さんのご希望や住所地などを踏まえて、診療所や病院等を紹介させていただきます。なお、ご紹介による患者さんの場合は、原則としてご紹介元に連携します。
地域医療連携室の業務
当センターの患者さんの地域医療機関への診察、地域医療機関から紹介患者さんの初診予約およびセカンドオピニオン、高額医療機器の共同利用、がんゲノム医療外来、遺伝外来の予約を致します。 ※初診予約票と一緒に問診票を患者さんへお渡ししていただきますようお願い致します。
通院中や入院中の患者さんとご家族の支援を行います。
- かかりつけ医療機関の相談
- 地域連携パスの推進と運用
- 医療費や障害福祉などの相談
- 在宅療養や介護の相談
- かかりつけ医やケアマネージャー、訪問看護ステーションと連絡・調整
- 退院前の地域関係機関との連絡・調整
- 社会福祉関連機関との連絡・調整
- 転院や施設入所の相談
- 緩和ケア病棟のある医療機関の紹介、連絡・調整
地域の医療機関、介護・福祉等関係機関との連携窓口
地域活動
- 各医師会との協議会
- 訪問看護ステーション及び近隣の病院との交流会
- 明石市医師会をはじめとして、各地域での医療連携交流会
- 明石市MSW連絡会
- 明石市域訪問看護ステーション連絡会
- 地域医療機関訪問
- 広報誌「かけはし」の配布
- がんフォーラム、講演会、集中講義などの案内
地域医療連携室スタッフ
副院長(医療連携・医療情報担当)
地域医療連携部長
地域医療連携課長(兼看護師長)
看護師
医療ソーシャルワーカー
事務職員
※栄養サポートチーム、褥瘡チーム、緩和ケアチームやがん専門看護師、認定看護師、がん相談支援センター等と連携しチームで支えていきます。