病理診断科

病理診断科

ご挨拶

私たち病理医は臨床検査技師との共同作業のもとで、組織診断や細胞診断、病理解剖を担当します。病気の診断や治療効果判定の目的で採取された組織や細胞の標本を顕微鏡で観察し、臨床情報を照合した上で、診断を行います。また、不幸にしてなくなった患者様の病理解剖では臨床上の問題点の解決を目指します。近年、がん診療では、疾患の診断や治療法選択の精査のため、病理検体を用いて、遺伝子学的・分子生物学的検査を行う場面が多くなっています。私たちは、研究部と緊密に連携し、これらの検査体制の充実・強化に取り組む一方で、がんゲノム医療では分子病理専門医として診断や治療法選択の一端を担っています。私たちは患者様とは直接対面しませんが、正確で質の高い診断をすることで、診療に貢献できるように努めていきます。 

病理診断科 部長  梶本和義

特徴・特色

がん診療の専門病院の一診断科として、がん治療に貢献し、患者様のために精度の高い迅速な『病理診断』を心がけています。

【専門医が精度の高い診断】

病理診断は経験豊富な病理専門医が行います。当科では病理専門医5名が各々の専門知識を共有しあい診断精度を高めています。また、正確な診断のために必要な場合は、研究部と連携し遺伝子検査も行っています。

【最新の診断技術で】

最近では様々ながん種で多くのバイオマーカーが研究され、分子標的薬など新しい治療が開発されています。各診療科と連携し、患者様が最適な治療法を選択できるよう、薬剤標的となるたんぱく質、遺伝子の変異や発現量などの検査も行っています。

【ISO15189により保証される管理システム】

病理診断科を含めた当センター検査部は、2017年2月にISO15189 の認定を取得しました。それにより、当科はその管理及び品質マネジメントのもと診療業務を行っています。

当科を受診される方へ

病理診断科は病理診断業務に特化した診療科であり、外来での患者様の診察は行っておりません。 病理診断について説明を御希望される場合は主治医を通じてお申し出下さい。

主な疾患

臨床各科が担当する全ての病気が対象です。がんの診断をはじめ、良性の腫瘍、非腫瘍性疾患も診断します。

当科が通常行っている検査方法

【組織診】

内視鏡下、穿刺針で採取された組織や手術で切除された臓器を診断します。必要に応じて免疫染色や特殊染色を加えて診断します。

【細胞診】

病変に対する擦過、穿刺吸引、排泄物等で得られた細胞を観察し、腫瘍細胞が含まれていないかどうかを診断します。

【術中迅速診断】

手術中に手術方針の決定や切除範囲の確認などのために行われる診断です。組織を凍結させて標本作成することで、短時間で診断します。

【病理解剖】

不幸にして入院中の患者様が亡くなられた場合、死亡原因の探求を主な目的として、病理解剖を実施します。その結果は後日、臨床病理検討会(CPC)で検討され、今後の医療に役立たせております。

【遺伝子検査】

がん関連遺伝子
肺癌

Amoy肺癌マルチPCRパネル、コバスEGFR
オンコマインDxマルチCDX、肺癌コンパクトパネル

乳癌

OncotypeDxCurebest 95GC BreastHER2遺伝子(FISH)

大腸癌 RAS/BRAF遺伝子検査、HER2遺伝子(FISH)
悪性黒色腫 BRAF
GIST c-kit遺伝子変異解析
造血器腫瘍 EZH2遺伝子変異解析、JAK2/CALR、MPL、RHOA、MYD88、CSF3R、SF3B1
卵巣癌 My choice診断システム 
固形癌 MSI
がん遺伝子パネル検査
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル
FoundationOne Liquidがんゲノムプロファイル
GenMine TOP
OncoGuide NCCオンコパネル
Gurdant360 CDx 

赤字は院内で実施している検査です

かじもと かずよし

梶本 和義

      
役職

病理診断科部長(診療科長)

資格

日本病理学会 病理専門医・研修指導医・分子病理専門医・学術評議員

日本臨床細胞学会 細胞診専門医・兵庫県臨床細胞学会理事

日本臨床検査医学会 臨床検査管理医・臨床検査専門医

神戸大学大学院 医学研究科客員准教授

厚生労働省 死体解剖資格認定

卒業年度 1994年

まえだ なおこ

前田 尚子

      
役職

病理診断科部長

資格

日本病理学会 病理専門医・研修指導医・学術評議員

日本臨床細胞学会 細胞診専門医

厚生労働省 死体解剖資格認定

卒業年度 2002年

こまつ まさと

小松 正人

      
役職

病理診断科医長

資格

日本病理学会 病理専門医・分子病理専門医

日本臨床細胞学会 細胞診専門医

厚生労働省 死体解剖資格認定

卒業年度 2006年

こばやし あんな

小林 杏奈

      
役職

病理診断科医長

資格

日本病理学会 病理専門医

日本臨床細胞学会 細胞診専門医

厚生労働省 死体解剖資格認定

卒業年度 2013年

うの れな

宇野 礼奈

      
役職

病理診断科医長

資格

日本病理学会 病理専門医

日本臨床細胞学会 細胞診専門医

厚生労働省 死体解剖資格認定

卒業年度 2016年

ゆむら きょうこ

湯村 香子

      
役職

病理診断科主事

卒業年度 2019年

スタッフの他、非常勤病理医が当センターの病理診断、教育に関わっています。

後藤啓介(公益財団法人がん研究会有明病院 臨床病理センター病理部 他

*当センター皮膚科で行われた生検、手術については、皮膚科医師と共に病理診断を行っております。
*兵庫県立丹波医療センター・兵庫県立加古川医療センター・兵庫県立はりま姫路総合医療センターに、病理診断支援を行っています。

休診・代診のお知らせ

急な都合による休診情報は掲載できない場合がありますので、ご了承ください。

診療実績他

年度別 剖検 細胞診 組織診 パネル検査
迅速 手術 生検 他院 合計
2013 1 12846 936 2971 5614 976 10497
2014 2 11707 907 2998 5108 970 9983
2015 0 11108 910 2984 4953 879 9726
2016 2 11003 855 3064 5077 903 9899
2017 2 10672 815 3165 5350 961 10291
2018 3 10331 815 3249 5334 1044 10442 24
2019 2 9662 809 3212 5397 1004 10422 95
2020 0 9797 814 3194 4965 998 9971 84
2021 2 9309 782 3031 5225 954 9992 110
2022 3 9003 800 2039 5250 982 9071 122
2023 0 8721 840 2929 6665 967 11401 136

トピックス

当科での病理研修について

病理医を目指す若手医師や臨床各科の先生方が当科で病理診断について勉強することも可能です。お気軽にご相談下さい。

紹介元の先生へ

紹介患者様の院外標本は年1000件ほどあります。院外標本を診断するにあたって、患者様が当院で最適な治療を選択できるよう、悪性であることの確認や組織型の確認を重視しております。

貴院で診断の根拠となった病理標本、可能でしたらパラフィンブロックを紹介状に添えていただきますようお願いいたします。

昨今、がん遺伝子パネル検査の当院への依頼も年々増えてまいりました。 パネル検査では、検体評価および検体提出の上で未染標本では難しいことがありますので、ぜひブロック貸し出しにご理解・ご協力をお願いいたします。

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