放射線部

放射線部

ご挨拶

放射線部は、一般撮影、血管造影、CT、MRI、超音波、核医学の画像診断部門と放射線治療部門に分かれています。令和元年度以降に導入した最先端の機能を有する装置として、トモシンセシス機能搭載乳房撮影装置、3.0TMRI装置、PET/CT装置、高精度放射線治療装置があります。また、令和2年度には放射線被ばく線量管理システムを導入し、安全な放射線診療に貢献しています。地域医療連携室を通じて受付を行っている予約可能な検査としては、CT検査、MRI検査、アイソトープ検査、PET/CT検査があります。ご希望に沿った対応を心掛けておりますので、お気軽にご相談ください。 当センターの診療放射線技師は、専門分野の各種学会が認定する資格を多数有しています。患者さんとの対応には思いやりの精神で、適切な分かりやすい説明を行うことを基本としていますので、何なりとお尋ねください。

特徴・特色

  • 一般撮影:胸腹部撮影室、外科系(骨)撮影室、乳房撮影室、病棟や手術室、X線TV透視室でX線撮影を行います。
  • 血管造影:カテーテルを血管内に挿入し、造影剤を注入することで体内のあらゆる血管を描出します。
  • CT:X線とコンピュータを使って身体の輪切りの画像を撮像し、病巣の大きさ、形態や周囲との位置関係を描出します。
  • MRI:強い磁石と電磁波を用いる検査で、放射線を使用しません。撮像中は大きな音がするため、耳栓やヘッドフォンを使用します。
  • 核医学:放射性医薬品を投与し、体内から出る放射線を装置で検出して画像を作成します。核医学治療も行っています。
  • 超音波:上腹部の臓器やリンパ節の評価、甲状腺、乳腺、皮膚、皮下腫瘍など様々な検査を施行しています。
  • 放射線治療:エネルギーの高い放射線を照射して治療を行います。正常組織が受ける線量を極力少なくし、病巣部に集中して照射できるように精度の高い治療計画を行っています。

トピックス

取得資格認定・受講等(令和6年4月現在)

  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
  • マンモグラフィ検診施設・画像認定施設
  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
  • X線CT認定技師
  • 上級磁気共鳴専門技術者
  • 超音波検査士(消化器領域、体表臓器領域)
  • Ai認定診療放射線技師
  • 救急撮影認定技師
  • 放射線治療専門放射線技師
  • 放射線治療品質管理士
  • 医学物理士
  • 第1種放射線取扱主任者
  • 第1種作業環境測定士(放射性物質)
  • 衛生工学衛生管理者
  • 情報処理技術者
  • 医療情報技師
  • 放射性医薬品取り扱いガイドライン講習会
  • ルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)注射液を用いた核医学治療の安全講習会
  • PET研修セミナー
  • 診療放射線技師法改正に伴う告示研修
  • 特定放射性同位元素防護管理者等育成プログラム
  • 診療放射線技師臨床実習指導者講習会
  • 医療安全セミナー(医療安全管理者養成研修) 他多数

一般撮影

胸部、腹部や骨などのX線撮影を行います。撮影にはFPD(flat panel detector)装置を使用し、X線TV装置はFPD装置とDR(digital radiography)装置を使用しています。 撮影した画像はPACS(医用画像情報システム)と院内ネットワークにより、画像を必要な時に必要な場所(診察室、病棟など)で迅速に取得、表示できます。
2023年6月に最先端技術を搭載した乳房撮影装置3Dimensionsを導入しました。既存装置を含めトモシンセシス機能搭載乳房撮影装置が2台となり、待ち時間緩和と生検時のダウンタイム解消に繋がっています。3Dimensionsは、乳房圧迫板の形状が緩やかな曲線状のものを備えており、圧迫時の痛みや不快感の軽減が期待できます。
当センターは、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構よりマンモグラフィ検診施設・画像認定施設として認定されています。

【胸腹部撮影室】
撮影装置

・UD-150B-40(島津)
平成24年12月導入
・CALNEO U(富士フイルムメディカル)
・CALNEO Smart(富士フイルムメディカル)
FPD撮影装置にて短時間で効率よく撮影を行います。

【外科系(骨)撮影室】
撮影装置

・UD-150B-40(島津)
令和3年12月導入
・UD-150B-40(島津)
平成27年5月導入
・CALNEO C(富士フイルムメディカル)
・CALNEO Smart(富士フイルムメディカル)
全身の骨など多岐にわたる部位の撮影を行います。外科系(骨)撮影室は2室あります。

歯科用CT・パノラマ撮影室
撮影装置

・Veraviewepocs 3Dfα (モリタ製作所)
平成28年2月導入
CT機能を搭載した歯科口腔領域専用装置で、歯列、顎関節、上顎洞のパノラマ撮影およびCT撮影を行います。

【乳房撮影室】
トモシンセシス機能搭載乳房撮影装置

・Selenia Dimensions(HOLOGIC)(2台)
平成30年3月導入
令和5年6月導入
トモシンセシス機能を搭載した乳房専用撮影装置で、乳がんの精密検査を行います。また、超音波検査で描出困難な微小石灰化などマンモグラフィのみで描出された病変に対しては、トモシンセシスガイド下で正確に生検を行います。

【泌尿器撮影室】
泌尿器専用撮影装置(DRシステム)

・Uroskop Omnia Max(SIEMENS)
令和3年3月導入
IVR下でステント留置術や腎瘻増設等の治療を行います。また、造影剤を用いてX線透視および撮影を行い、腎臓の機能や腎盂尿管・膀胱の形態も診断します。

【骨密度測定装置】
X線骨密度測定装置
(二重エネルギーX線)

・Horizon C型(HOLOGIC)
平成29年3月導入
高精度な二重エネルギーX線吸収測定法を用いて腰椎、大腿骨近位部、前腕の骨密度測定を行います。骨粗鬆症の診断や、薬剤による骨量減少の診断、薬剤の治療効果判定に使用します。

【X線TV室】
診断用X線TV装置

・SONIALVISION G4(島津)
平成30年12月導入
バリウムを飲んで造影を行う上部消化管透視(食道・胃)、肛門からバリウムを注入し造影を行う大腸透視およびその他の造影検査を行います。診断用X線TV装置はFPD搭載型を使用し、歪のない高精細な画像が得られます。

【FPD装置】
FPD装置(富士フイルムメディカル)

・CALNEO U
平成24年12月導入
・CALNEO Smart
平成30年1月導入
・Console Advance(5台)

【移動型X線撮影装置】

・Mobile Art Evolution (Mx8 Version)(島津)
令和3年12月導入(2台)
・Mobile Art Evolution (島津)
平成30年度導入
・Console Advance (タブレット型2台)
X線被ばくが少ないFPDシステムを用いて、手術室や病室(術後回復室、隔離病室、無菌室など)で移動できない患者さんの撮影を行います。

血管造影

血管造影では、血管の走行、形態、閉塞などを調べます。治療したい臓器に直接血管から薬物を入れて治療を行うこともあり、悪性腫瘍の血管に直接抗がん剤を投与する動注化学療法、腫瘍への栄養血管を閉塞してがん細胞を死滅させる塞栓療法を積極的に行っています。また、抗がん剤注入のためのポート・カテーテル留置術なども行っています。

【血管造影装置】

・IVR-CT (血管造影CT複合型装置)平成24年12月導入
血管造影撮影装置
・Infinix Celeve-i/INFX-8000C (キヤノンメディカルシステムズ)
CT装置
・AquilionLB/TSX-201A (キヤノンメディカルシステムズ)

腹部血管造影画像

CT

CTは、computed tomographyの略称です。
全身の撮影が可能で、主に頭頚部、胸腹部、四肢などに分けて検査を行います。
検査には単純検査と造影検査があり、造影検査は「ヨード造影剤」という薬を静脈注射して行います。
また、造影剤を急速注入して経時的に撮影し、各臓器や病変の血行動態を調べるダイナミックCTがあります。

当センターで使用しているマルチスライスCTの特長

体軸方向に複数の検出器を装備し、短時間で広範囲を撮影することができます

  • 薄いスライス厚の画像により、微小病変を描出できます
  • 三次元画像(3D)や任意の断面を表示することができ、病変の状態が詳細に分かります
CT透視を利用したCT透視ガイド下検査・治療

CT透視による画像を観察しながら、病気の治療や腫瘍の一部を採取して組織を調べます。

【CT装置】

・Aquilion Precision 160列
(キヤノンメディカルシステムズ)
平成30年3月導入
マルチスライス160列

【CT装置】

・Aquilion PRIME 80列
(キヤノンメディカルシステムズ)
平成26年2月導入
マルチスライス80列

【CT装置(治療計画用)】

・Aquilion LB 16列
(キヤノンメディカルシステムズ)
平成28年3月導入
マルチスライス16列

三次元画像(腹部)

冠状断画像(肺部)

CTガイド下ラジオ波焼灼術(肝癌)

CTガイド下生検(肺部)

          【放射線被ばく管理システム】

          ・DoseWatch(GEヘルスケア・ジャパン)令和2年3月導入
                                  CTをはじめ、血管造影、核医学検査などで被ばく線量管理を行っています。

MRI

MRIは、magnetic resonance imaging(磁気共鳴画像)の略称です。
長いトンネルの形をした装置の中に入って、強い磁石と電磁波を用いて撮像します。検査にかかる時間は30分~1時間程度です。体の中の様子や血液の流れを観察しやすくし、より正確な診断を行うために「造影剤」を静脈に注射して検査を行うこともあります。
当センターでは3.0T装置2台が稼働しており、短時間で高画質な画像を得ています。CTや以前のMRI装置では見つけにくかった微小な病変に対する検出能力が向上し、がんなどへの早期発見、早期治療に一層貢献できるようになっています。
次のような方は検査が出来ない場合がありますので、必ず事前にお知らせください。

  • 心臓ペースメーカーを体内に入れている
  • 外傷や手術で人工関節や脳動脈クリップなどの金属が体内にある
  • 妊娠中もしくは妊娠している可能性がある
  • 閉所恐怖症など狭い場所が苦手

【MRI装置】

・Ingenia 3.0T (フィリップスエレクトロニクスジャパン)
平成28年12月導入

【MRI装置】

・Magnetom Vida 3.0T (SIEMENS)
令和3年3月導入

MRI画像
  • 体軸方向に複数の検出器を装備し、短時間で広範囲撮影することができます
  • 三次元画像(3D)や任意の断面を表示することができ、病変の状態が詳細に分かります
検査を受けられるときの注意点

金属は検査の妨げになりますので、以下のものは取り外してください。

  • 貴金属(時計・指輪・ネックレス・イヤリング・ヘアピンなど)
  • 眼鏡、補聴器、入れ歯、エレキバン、カイロなど
  • 金属のついている下着(ブラジャー・スリップなど)
  • 金属を含んでいる化粧品など

撮像する部位やその周囲に金属等があると、磁場が乱れて画像が歪む可能性があります。このため検査着への着替えをお願いすることがあります。
その際は、スタッフがご案内致します。

検査中の注意点

1回の撮影には3分程かかり、それらを繰り返します。撮影している間に動いてしまうと画像がぶれてしまうため、じっとしていて下さい。
検査中は検査室内で1人になりますが、緊急時用ブザーを持っていただきます。検査中に気分が悪くなった場合にはブザーでお知らせ下さい。また、モニターでも検査中の状況を観察していますのでご安心下さい。
胸部や腹部(肝・膵・腎臓・胆嚢など)の検査では、撮影中に息を止めて検査をする場合があります。息を止める時間は約20秒間で、数回繰り返します。

超音波

超音波検査室では、消化器領域、表在領域の精査を行っています。消化器領域は、肝臓や膵臓など上腹部の臓器やリンパ節の評価が検査目的です。表在領域では、甲状腺や乳腺に留まらず、皮膚や皮下腫瘍など様々な検査を施行しており、簡便に皮下組織の観察ができるリンパ浮腫の治療効果判定も行っています。造影超音波検査では、肝臓がんや乳がんの検査が行えます。

                     【超音波診断装置】

                            ・APLIO i800 PRISM Edition

                           (キヤノンメディカルシステムズ)
                            令和5年12月20日導入

【超音波診断装置】

・APLIO i800(キヤノンメディカルシステムズ)
平成30年11月13日導入

核医学

核医学検査は、CTやMRIなどの形態画像では得られない機能・代謝情報が得られ、病態の診断のみならず治療方針の決定や治療効果の判定に貢献しています。使用する放射性医薬品は半減期が短く、短期間のうちに体内から消えていきます。また、副作用はほとんどありません。

放射性同位元素内用療法

当センターでは、下記の核医学治療を行っています。

  • 去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対するラジウム-223(ゾーフィゴ静注)
  • 高分化型神経内分泌腫瘍(NET:neuroendocrine tumor)に対するルテチウム-177(ルタテラ静注)

2022年6月から切除不能又は転移性のNETに対する核医学治療(ルタテラ療法)を開始しました。2023年9月末現在、5名の患者さんの治療が終了し、1名の患者さんの治療を継続中です。ルタテラは、通常8週間の間隔で4回の投与を行います(治療期間: 約6ヵ月)。

【PET/CT装置】

・Discovery IQ.x(GEヘルスケア・ジャパン)
平成27年12月導入

【PET/CT装置】

・Biograph Horizon(SIEMENS)
令和元年9月導入

【SPECT/CT装置】

・NM/CT 850(GEヘルスケア・ジャパン)
平成31年3月導入

PET/CT画像

PET/CT検査

PETとは、positron emission tomography(陽電子放出断層撮影法)の略称で、ブドウ糖にポジトロン核種(陽電子放出核種)を合成した検査薬剤F-18-FDGを静脈に注射します。この薬剤はブドウ糖を消費する細胞に取り込まれ、ブドウ糖消費の多いがん細胞に多く取り込まれます。これにより、がんの大きさ、活動性、転移などを捉え、適切な治療法を選択することができます。
PET/CT装置は、病変の検出能に優れるが位置情報が不明瞭なPET装置と位置情報に優れるが病変検出能に劣るCT装置を組み合わせて、両方の長所を融合させた検査装置です。
検査を受けていただく際には何点か注意事項がありますので、詳しくは診察時にお尋ねください。

神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)に対する核医学治療(ルタテラ治療)

放射線治療

放射線治療は、エネルギーの高い放射線を使用します。正常な細胞が受けるダメージを極力少なくし、病変部に集中して放射線が当たるよう精度の高い治療計画を行っています。手術をすれば傷跡が残り、身体の外観や機能が損なわれる場合がありますが、放射線治療では正常な機能を損なうことなく治療することが可能です。
放射線治療は、医学物理士と放射線治療品質管理士によるQA/QC(品質保証/品質管理)が重要であり、当センターでは有資格者のもと安全管理体制を構築しています。

外部照射

定位放射線治療:小さな病巣を標的とし、多方向から高精度に放射線を集中して照射します。
強度変調放射線治療:腫瘍の形状に合わせた線量分布により、腫瘍に放射線を集中して照射します。

密封小線源治療

腔内照射:外部から到達可能な体腔にイリジウムという放射性物質(Ir-192)を挿入して照射を行う方法です。

【リニアック装置】

・NovalisTx(Varian&BrainLAB)
平成23年3月導入

【リニアック装置】

・TrueBeam(Varian)令和2年1月導入
多発脳転移を一度に照射する技術のHyperArcを搭載

【脳定位放射線治療システムHyperArc機能】

これまでは、複数の脳転移病巣に一つ一つ治療を行うため、転移の個数が増えると治療時間が長くなっていました。本機能を活用することで、複数の病巣を一度に短時間で治療できます。また、本治療は病巣だけに高線量を照射し、正常な脳実質の線量を飛躍的に低減することが可能です。

複数の脳転移病巣への放射線量分布

【CT組合せ型密封小線源治療システム】

密封小線源治療装置
・マイクロセレクトロン HDR-V3 (Elekta)
CT装置
・Aquilion LB(キヤノンメディカルシステムズ)
平成27年4月導入

治療計画装置
  • Eclipse (Varian)(7台)令和元年8月導入
  • iPlan (Brainlab)(2台)平成23年3月導入
  • Monaco(Elekta)(2台)平成31年3月導入
  • Oncentra Brachy (Elekta)(1台)平成27年4月導入
放射線治療計画支援装置
  • Raystation(日立製作所)(1台)平成30年1月導入
現在、災害や事故による情報はありません。

放射線施設内で放射線障害のおそれがある場合、又は放射線障害が発生した場合、 外部からの問い合わせ窓口の設置及び以下の項目について情報提供をいたします。

  1. 事故の発生日時及び発生した場所
  2. 汚染の状況等による病院外への影響
  3. 事故発生場所で取り扱っている放射性同位元素等の性状及び数量
  4. 応急措置の内容
  5. 放射線測定器による放射線の量等の測定結果
  6. 事故の原因及び再発防止
  7. その他事故に関する情報

【放射線障害予防規程に関する情報提供】