治療を受けられる方へのアドバイス
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消化器系の疾患は、食事を食べて排泄するまでの一連の臓器はそれぞれが重要な役割を果たします。
その重要な各臓器である食道・胃・大腸・肝臓・胆道・膵臓にできた悪性の腫瘍の治療は、各種の最新治療が行われてます。
そこで、現在の消化器がんに対する各種の治療法の中のひとつである手術療法を受けられる患者さんの治療前と治療後の過ごし方について説明いたします。
兵庫県立がんセンターを受診していただいた患者さんが安心して治療が受けられるように、医師・看護師・検査技師・放射線技師・コメディカルの一人ひとりが決め細やかな対応に心がけています。手術を受けられる患者さんには、手術に向けての準備を病棟と連携をとりながら準備を進めていきます。
手術を受けられるまでの期間は、各疾患とも2から3日と短いため次のようなことに細心の注意をはらいながら準備をすすめていきます。
1各種検査についての説明と結果
2パンフレットにそって必要物品の準備
3各疾患に要する期間と入院生活の過ごし方。
各種の社会資源についての活用方法などについての説明と準備
4手術室看護師、集中治療担当看護師による面談の実施
5主治医による手術方式などについての説明時には看護師が同席
など、手術を受けられる患者さんが安心していただけるように努めています。
手術治療後の入院生活、いずれも2~3週間を目標に退院への準備を進めていきます。
特に、消化器がんの手術後の重要なことは以下のことがあります。
1生活習慣の管理。軽度の運動をおこないしっかり睡眠をとりましょう
2食事療法は最も重要であり、各疾患のステージにそって段階的に
アップしていきます。
また、可能な限り患者さんにあった嗜好品の選択などについても相談しながら進めていきます。
また、栄養サポートチームとも連携をとっています
3退院前には栄養士による具体的な指導を行ないます
4排便のコントロールを心がけましょう
5定期的な外来受診、継続的な治療地域の医療機関との連携
など、安心できる医療を提供しています。
消化器がんの手術を受けられる患者さんが安心して手術療法を受けていただき、病気と共存しながら生活を送られるように、私たち消化器外科の医療チームは、些細な情報にも耳を傾け、安心できる治療・決め細やかな看護を実践しています。
化学療法とは、「抗がん剤」を全身にいきわたらせることによって、がん細胞の増殖を妨げたり、完全に死滅させたり、全身に広がる可能性のあるがん細胞を治療する方法です。
がんの種類や患者さん自身の体の状態によって、治療に使われる抗がん剤の種類が異なるため、治療経過や副作用の出かたに違いがありますが、ここでは一般的な治療経過とよく現れる副作用、そしてその対策方法についてご紹介します。
主治医よりこれから治療を始める化学療法の内容と治療のスケジュール、予測される副作用とその対処方法等について詳しい説明があり、その後薬剤師と看護師が具体的に抗がん剤についての説明、そして日常生活の過ごし方等をパンフレットなど用いて行います。
ご不明な点については何でも質問をしてください。最近は外来で化学療法を受けられる治療が増えてきました。
治療をしながら患者さん自身で副作用軽減のための工夫をしていただくことになりますので、十分な説明とご理解、そしてご自宅での対処ができるよう説明をさせていただきます。
抗がん剤の副作用のうち最もよく現れるのは、
【1】吐き気 【2】骨髄抑制(特に白血球減少) 【3】脱毛です。
抗がん剤による副作用が徐々に軽減していき、体調が整ってくる段階になりますが、骨髄抑制など回復するまでに数カ月かかる症状がありますので、採血の結果やご自身で感じられる体の具合を確かめながら生活を送られることをお勧めします。
以上、簡単ではありますが化学療法を受けられる方へご説明をさせていただきました。
患者さんやご家族の方々が安心して化学療法を受けていただけるように、主治医をはじめ薬剤師や看護師、栄養士などチームでサポートをさせていただきたいと考えています。ご不安な点については悩まずにいつでも相談してください。
特に、禁止事項などはありません。ですが、放射線治療医からの説明やお渡ししたパンフレットでわからないこと、気になったことがあれば書きとどめておいて、医療者に質問できるようにしておきましょう。
治療部位別では、乳腺への治療をされる方で、手術の影響で腕を挙げにくい場合は、リハビリを継続するようにして下さい。また、口腔内が治療範囲に入っている方については、歯磨きなど口腔内のケアを行い、清潔を保つようにしておきましょう。
また、タバコも害になります。吸い続けると再発率に影響することも証明されていますので、禁煙を始めておきましょう。
治療部位によって、気をつけて頂くことが異なりますが、どの部位でも共通するのが皮膚炎です。
皮膚炎は、日常生活の工夫である程度予防できることができます。一番大事なことは、刺激を避けることです。
消化管(口腔・食道・胃・大腸など・・・)が治療部位に含まれる場合は、刺激物(辛いもの、酸っぱいもの、アルコールなど)を避けるようにしましょう。
治療中は、疲れやすく感じる方もいらっしゃいますので、適宜休息が取れるように生活の調整をしておくことも必要です。
治療による副作用によって食事が食べづらい時は、各症状に合わせた工夫をしましょう。(治療中の食事の工夫)
放射線治療中に起こった症状は、治療後2週間程度でピークを迎えます。これは通常の経過ですので心配はいりません。治療中と同じケアを続けるようにして下さい。皮膚炎や口内炎はその後1か月くらいかけて回復していきます。
治療部位に肺が含まれている方については、放射線肺炎が起こる可能性があります。治療後1か月〜3か月が発症のピークといわれていますので、風邪を引かないように気をつけ、発熱や咳などが出てきた場合は、速やかに受診するようにして下さい。もし、治療を受けた施設以外の病院にかかる場合は、放射線治療を受けていたことを担当医に伝えるようにしましょう。
放射線治療では、治療後しばらく経って出現する晩期合併症があります。初診時説明を受けた症状が出現した場合、医療者に報告するようにしましょう。
化学療法、放射線療法(頭頸部や胸部照射)の副作用などでおこることがある口内炎、食道炎、口腔乾燥や吐き気、嘔気、味覚変化など、それぞれの症状に合わせて食事の摂り方に工夫が必要となります。
放射線・化学療法などがん治療の副作用などにより、食欲不振、嚥下困難、通過障害などが出現することがありますが、通常の食事が食べられない時や栄養量が不足する場合に、下記のような栄養補助食品を多数揃えて、患者さんの状態や嗜好に合わせた提供を行っています。(各社栄養量に特徴がありますが商品名は省きます)
1少量で高栄養の飲み物
2喉越しのよい透明なゼリー類(通過障害や口内炎があるときに食べやすい)
3ミルク風味のゼリー(味覚異常や食欲不振時に食べやすい)
4冷奴状の食べ物
5アイスクリーム
6その他
その他、新製品が出ますので、随時更新しています。
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