遺伝診療科

遺伝診療科

ご挨拶

遺伝診療科では、遺伝性腫瘍症候群と呼ばれる、遺伝的にがんにかかりやすい体質についての相談に応じています。このような体質は血液を採って遺伝子を調べる検査で診断できます。遺伝子検査の結果はがんにかかった方本人の治療方針やフォロー方針の選択だけでなく、ご家族の健康管理に活かすことができます。
がんの遺伝について話を聞いてみたい方、遺伝子検査をお考えの方は、遺伝外来でご相談ください。


なりたち

20132月に遺伝外来を開設し医師1名、看護師1名で遺伝診療を開始しました。20145月に遺伝性腫瘍委員会を発足し、看護部での遺伝に関する問診票の運用を開始しました。20166月に認定遺伝カウンセラーが1名入職し、遺伝性腫瘍について患者さんに知ってもらうための取り組みとして、2017年8月に乳腺外科病棟遺伝面談を開始しました。20181月には認定遺伝カウンセラーが3名に増え、遺伝外来は週3日体制となりました。さらに、20183月には婦人科癌の初回治療の患者さんへ情報提供を行う仕組みとして婦人科病棟遺伝面談を開始しました。遺伝性腫瘍診療の充実を目指す取り組みとして臨床遺伝指導医を招聘し、20187月に遺伝診療科という名称の使用を開始しました。2020年からは近畿大学大学院遺伝カウンセラー養成課程の実習生を受け入れており、4月から遺伝外来は週5日体制となりました。遺伝外来は腫瘍内科、婦人科、乳腺外科などさまざまな専門性をもつ医師が担当しています。2023年度は医師10名、認定遺伝カウンセラー3名、外来看護師7名体制、2024年度は医師11名、認定遺伝カウンセラー4名、外来看護師7名体制で外来診療を行いました。

特徴・特色

医師(腫瘍内科、乳腺外科、婦人科)、認定遺伝カウンセラー、看護師の多職種でチーム医療を行っています。

保険診療の遺伝子検査のほか、自費の遺伝子検査(単一症候群遺伝子検査、多遺伝子パネル検査、血縁者向け検査)にも対応しています。

また、遺伝性腫瘍症候群と診断された方のサーベイランスやリスク低減手術の相談も行っています。

当科を受診される方へ

当院の患者さんは、主治医に希望をお伝えください。認定遺伝カウンセラーが面談で詳しく相談内容をお聞きし、遺伝外来の予約を調整します。

主な疾患

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)
Lynch症候群
Li-Fraumeni症候群
Cowden症候群/PTEN過誤腫症候群
家族性大腸腺腫症
ポリメラーゼ校正関連ポリポーシス
神経線維腫症Ⅰ型
Peutz-Jeghers症候群
その他の遺伝性腫瘍易罹患症候群

 

遺伝外来のご案内

当院では、遺伝外来で遺伝カウンセリングを行っています。
誰でもがんに罹る可能性がありますが、がん全体の5~10%は、遺伝的にがんを発症しやすい体質を持っている人に生じていると考えられます。
自分に遺伝的がんリスクがある可能性の有無を知っておくことは有意義です。
遺伝的にがんリスクが高い人たちがリスクに応じたがん検診を受けるなどの対策を実施することにより、がんの早期発見、早期治療を目指すことができる可能性があります。
がんの遺伝について、疑問に思うことや迷うことがあれば、ぜひご相談ください。

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診療実績他

2020年以降、年間約200人の方が遺伝外来を受診され、150人を超える方が遺伝子検査を受けておられます。

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