第8回 抗がん剤治療の副作用、熱が出たらどうする?
病院や病気のことで気になることを病院で働いている職員さんにインタビューする ともタンの院内散歩です。
ともタン:
こんにちは。兵庫県立がんセンターのマスコットキャラクター ともタンです。
第8回目は、「抗がん剤治療の副作用、熱が出たらどうする?」です。
抗がん剤の副作用の発熱について兵庫県立がんセンターの外来がん治療専門薬剤師さんに聞きました。
よろしくお願いします。
外来がん治療専門薬剤師:
よろしくお願いします。
ともタン:
抗がん剤の副作用には色々あると思いますが、今回は発熱について教えてください。
外来がん治療専門薬剤師:
はい。
ではまず、『骨髄抑制(こつずいよくせい)』についてお話しいたします。
ともタン:
お願いします。
外来がん治療専門薬剤師:
骨髄抑制は、患者さんが手にするパンフレットによく記載してあるので、目にしたことがある方もいらっしゃると思います。
そもそも骨髄とは何かと言うと、骨の中心にある血液を作っている部分のことを言い、赤血球や白血球、血小板を作っています。
図:骨髄
外来がん治療専門薬剤師:
抗がん剤は細胞分裂が活発な部分に作用します。そのため、抗がん剤治療を受けると、細胞分裂が活発ながん細胞に効果を示します。
しかし、一方で同時に細胞分裂が活発な骨髄も影響を受けてしまいます。骨髄は影響を受けると、血液を正常に作ることができなくなってしまいます。
そのような状態を『骨髄抑制』と言います。
ともタン:
抗がん剤は、がん細胞を攻撃しがん細胞の活性化を抑えることができると同時に、骨髄にも影響してしまうのですね。
外来がん治療専門薬剤師:
その通りです。
骨髄が正常な血液を作れなくなり、赤血球が減ると、ヘモグロビンが減少し、めまいや息切れなどの『貧血症状』が出ることがあります。
血小板が減ると、鼻血や歯磨きの時の出血が止まりにくかったり、アザができやすくなることがあります。
白血球は普段、体の中のウイルスや菌を見つけ、体の中で攻撃してくれています。
その白血球が抗がん剤治療により減少してしまうと、体の中にウイルスや菌があっても攻撃できなくなり、そのため感染症にかかりやすくなってしまいます。 そのため、感染症に罹らないよう『手洗い』・『うがい』・『マスク』の徹底が必要です。
ともタン:
『手洗い』・『うがい』・『マスク』を徹底していても熱が出てしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?
外来がん治療専門薬剤師:
『手洗い』・『うがい』・『マスク』で予防していても、感染症に罹ってしまい、熱がでることがあります。
そんな時のために、発熱時に処方される薬についてご説明します。発熱時の薬は大きく2つに分かれ、1つ目は熱を下げる『解熱鎮痛剤』、2つ目は体の中の菌を攻撃する『抗生物質』です。
ともタン:
どちらも良く聞くお薬ですよね?
外来がん治療専門薬剤師:
そうですね。解熱鎮痛剤は、熱を下げる目的で飲んで頂きます。飲むタイミングとしては、『発熱時』や『熱が出てしんどい時』に飲みます。飲み方は薬によって様々なので、主治医や薬剤師に確認してください。正確な体温を把握するために、解熱鎮痛剤を飲む前に熱を測り、記録しておくと良いです。
次に抗生物質(抗菌薬)は、体内の菌を除去する目的で飲みます。
飲むタイミングとしては『38℃以上の熱が出た時に飲み始めます』。
飲み方は1回1錠を、1日1回飲み、翌日以降もだいたい同じ時間帯に飲みます。
このお薬は、先ほどの解熱鎮痛剤とは異なり熱が下がっても7日間飲み切るようにします。
抗生物質は、決められた日数をしっかりと飲み切ることで効果を発揮します。途中でやめてしまうと、抗生物質の効果が十分に発揮できず感染症がぶり返してしまう可能性があります。
熱で体がだるいなどの症状があれば、先ほどの解熱鎮痛剤を同時に飲んでも大丈夫です。
抗生物質を飲む前に主治医に電話をするよう、指示される場合がありますので、そのように指示された方は、38℃以上の熱が出た時点で、まず主治医に電話をしてから薬を飲みましょう。
また、発熱時に『息が苦しい』・『ゼーゼーする』・『息をすると胸が痛い』・『お腹が痛い』・『下痢の症状がある』・『ぐったりする』・『気分が悪く水分も摂れない』などの症状がある場合は、抗生剤を飲みきっていなくても主治医へ電話しましょう。
抗生物質(抗菌薬)を2日飲んでも38℃以上の発熱が続いている場合も、必ず主治医へ電話しましょう。
ともタン:
お薬は飲み合わせても大丈夫なものと良くないものがありますよね?
外来がん治療専門薬剤師:
そうですね。
薬をお渡しする際にご説明しますし、説明書が入っている場合もありますので、説明書はよく読んでおきましょう。分からないことは、主治医や薬剤師に確認しましょう。
ともタン:
抗がん剤治療中の発熱について分かりやすく教えてくださり、ありがとうございました。
辛いときは医師や薬剤師に相談してみてください。
では、また次回のともタンの院内散歩を楽しみにお待ちください!
