兵庫県の癌診療連携拠点病院として、消化器癌（食道胃腸/肝胆膵領域）を中心に積極的な外科治療を行っています。当院では消化器癌の臓器別専門医を育成すべく癌治療に取り組んでおり、それぞれの分野のエキスパートが消化器内科や放射線診断・治療科、病理診断科との連携の下に治療方針や手術方法を決定し、治療にあたります。色々な疾患において開腹手術のみならず鏡視下手術の適応も拡大し、高度進行例でも手術、化学療法、放射線療法等を組み合わせる集学的治療により予後が改善しています。

癌拠点病院として消化器癌において各臓器ごとに専門医をおいていますので、癌の診断がまだついていない患者さんやセカンドオピニオンもを含めてお気軽に御相談ください。また各病院、開業医の先生方とも交流をはかるとともに地域連携を通じて患者さんのかかりつけ医とも密接にフォローアップを行っていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

食道胃腸領域では従来の開腹手術はもとより、胸腔鏡や腹腔鏡を用いた鏡視下手術を積極的に導入しており、その適応も徐々に拡大しています。食道癌はほぼ100%、胃癌は50%弱、大腸癌は約80%が鏡視下手術になっています。
肝胆膵領域でも拡大肝葉切除～肝部分切除、膵頭十ニ指腸切除、膵体尾部切除など高難度手術を含む各種手術に取り組んでいます。最近は肝表面の比較的小さな腫瘍の肝部分切除や廓清のない膵体尾部切除には腹腔鏡下手術を導入しています。また従来法に粒子線治療、新規抗癌剤や分子標的薬など先進的治療を組み合わせ、さらに放射線科や消化器内科との合同カンファレンスを通じて集学的治療を構築しています。特に大腸癌の肝転移は化学療法と手術の進歩により格段に予後が改善し、内科との連携の下に、もともと切除不能例でも化学療法後に切除へと手術適応が拡大するケースも多々あります。