その他の部門 -研究部-
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西病棟の1階という臨床現場に近いところに、わたしたち兵庫県立がんセンター研究部はあります。基礎研究と臨床を結びつける橋渡し研究、生体試料の保存、遺伝子診断、学生指導などその業務は多岐に渡りますが、2018年よりゲノム医療にも参画しています。その向こうには病に苦しむ患者さんやその家族の方々がいることをいつも心に掛ける「クリニカルラボ」でありたいと思っています。
研究部長が当院のがんゲノム医療の責任者を務め、核酸(DNA)の評価から、がん遺伝子パネル検査の結果評価(アノテーション)や治療方針専門家会議(エキスパートパネル)の運営を担っています。
今、目の前の患者さんはもちろんのこと、次の新しい治療や診断法を開発することが私たちがんセンターに課された使命と考えています。そのためには生体試料を「提供者のプライバシーに配慮し」「最適な状態で」「数多く」保存することがとても重要になります。この仕組みをバイオバンクと呼び、2016年より本格的に稼働させています。
当バイオバンクの運営方針は通常の症例に加え、再発症例、分子標的治療後の再発、希少疾患、特異な経過を辿った症例からも積極的に収集することとしています。
バイオバンクは貯めるだけでは意味がありません。国内外の研究機関、製薬企業、診断企業と協力して、有効な治療法や診断法の開発に貢献したいと考えています。
①固形腫瘍の遺伝子診断:保険収載されている肺がんに対するEGFR遺伝子変異解析、MSI(マイクロサテライト不安定)に加えて、治療標的として重要なKRAS(G12C)、BRAF遺伝子、HER2遺伝子(エクソン20 insertion)、cMET遺伝子(増幅ならびにエクソン14欠失)の評価も行い、直ちに治療が開始できる体制を整えています。
②様々な悪性腫瘍に対する遺伝子診断:
上記の遺伝子診断を希望される医療機関がありましたら、なるべく対応させていただきますのでご一報ください。
バイオバンク検体管理システム・IVD対応遺伝子診断システム(Rocheコバス4800)・次世代シークエンサー(illumina Miniseq)・キャピラリー電気泳動(HITACH Compact CE Sequencer)・バイオアナライザー(Agilent 4200 TapeStation)・PCRサーマルサイクラー3台・リアルタイムPCR1台(Agilent MX3005P)・細胞培養室・安全キャビネット4台
当センターの豊富な検体を生かして共同研究していただける企業、大学、研究機関の広く求めています。「院外共同研究員」という制度を設けており、国内外の大学、民間企業、公的機関を問わず研究員として受け入れています。
当センターの豊富な臨床検体を用いて、前臨床研究が可能です。従来の病理検体に加え、前述のようにバイオバンクも稼働させています。ご希望のがん、収集方法などは研究部が各臨床科、病理診断科、検査部との橋渡し役をいたします。
がんに関する研究を行っている(あるいはこれから始めたい)学部生、大学院生を歓迎いたします(学部は問いません)。細胞株やin vitroで見出したことを臨床検体で確認してみませんか。基礎研究を臨床に還元するためには、このプロセスは大変重要です。研究部には専任研究員が在籍しており、懇切丁寧に研究指導をいたします。過去に当研究部での研究をもって学位取得された方が数多くいます。
スタッフ | 資格等 | 主な所属学会 |
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須藤 保 研究部長 婦人科部長 ゲノム医療・臨床試験センター(ゲノム医療担当次長) 1994年卒 |
日本産科婦人科学会専門医 | 日本産科婦人科学会 |
日本産科婦人科学会指導医 | 日本婦人科腫瘍学会 | |
日本母体救命システムベーシックコース修了 | 日本癌学会 | |
医学博士 | 米国癌学会 | |
日本癌学会 評議員 | ||
植野 さやか 研究部医長 2004年卒 |
日本産科婦人科学会専門医 | 日本産科婦人科学会 |
婦人科腫瘍専門医 | 日本婦人科腫瘍学会 | |
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医 | 日本人類遺伝学会 | |
がん治療認定医 | ||
日本癌学会 | ||
日本癌治療学会 |
2022年1月