その他の部門 -放射線部-
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放射線部では、X線撮影をはじめ血管造影、CT、MRI、核医学、超音波などの検査と放射線治療を行っています。それぞれの画像診断・治療にはPET/CT装置をはじめとして高度な機能を有する最新の装置を備えて診療行為を行っています。
また、放射線技師は、専門分野の各種学会が認定する資格を持ち、患者さんとの対応には思いやりの精神で、適切な分かりやすい説明を行うことを基本としておりますので何なりとお尋ねください。
取得認定・受講等 | |||
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管理関係 | 第1種放射線取扱主任者 | 画像診断関連 | 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 |
第1種作業環境測定士(放射性物質) | マンモグラフィ検診施設・画像認定施設 | ||
放射線機器管理士 | 上級磁気共鳴専門技術者 | ||
X線作業主任者 | 磁気共鳴専門技術者 | ||
γ線透過写真撮影作業主任者 | 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 | ||
衛生工学衛生管理者 | X線CT認定技師 | ||
基本情報技術者 | 超音波検査士(消化器領域) | ||
情報処理技術者 | 超音波検査士(体表臓器領域) | ||
医療情報技師 | 乳がん検診超音波検査実施技師 | ||
放射性医薬品取り扱いガイドライン講習会 | Ai認定診療放射線技師 | ||
塩化ラジウム(Ra-223)注射液を用いたRI内用療法に おける適正使用に関する安全講習会 |
救急撮影認定技師 | ||
ルテチウムオキソドトレオチド(Lu-177)注射液を 用いた核医学治療の安全講習会 |
技能検定(一般撮影) | ||
放射線治療関係 | 放射線治療専門放射線技師 | 技能検定(MRI) | |
放射線治療品質管理士 | 技師格(シニア) | ||
医学物理士 | 画像等手術支援認定診療放射線技師 |
撮影方法、検査方法の詳細を知りたい方は下のリンク先のページをご覧下さい。
胸部、腹部や骨などのX線撮影を行う部門です。
撮影部位や目的により胸腹部撮影室、外科系(骨)撮影室、乳房撮影室、泌尿器撮影室、X線テレビ透視室で撮影をします。
撮影にはFPD(Flat Panel Detector)装置とCR(Computed Radiography)装置を使用し、X線TV装置はFPD装置とDR(Digital Radiography)装置を使用しています。 撮影した画像はPACS(医用画像情報システム)と院内ネットワークの連携により、画像を必要な時に、必要な場所(診察室、病棟、手術室など)で迅速に取得、表示することができます。
撮影装置
・UD-150B-40(島津) 平成24年12月導入
・CALNEO U (富士フイルムメディカル)
・CALNEO Smart(富士フィルムメディカル)
FPD撮影装置にて短時間で効率よく撮影を行います。
撮影装置
・UD-150B-40(島津) 令和3年12月導入
・UD-150B-40(島津) 平成27年5月導入
・CALNEO C (富士フイルムメディカル)
・CALNEO Smart(富士フィルムメディカル)
全身の骨など多岐にわたる部位の撮影を行います。外科系(骨)撮影室は2室あり、FPD撮影装置(カセッテ方式)を用いて撮影します。
撮影装置
・Veraviewepocs 3Dfα(モリタ製作所) 平成28年2月導入
CT機能を搭載した歯科口腔領域専用装置で、歯列、顎関節、上顎洞のパノラマ撮影およびCT撮影を行います。
トモシンセシス機能搭載デジタル乳房X線撮影装置
・Selenia Dimensions(HOLOGIC)
平成30年3月導入
トモシンセシス機能を搭載した乳房専用X線撮影装置で、乳がんの精密検査を行います。また、超音波検査で描出困難な微小石灰化などマンモグラフィのみで描出された病変に対しては、トモシンセシスガイド下で正確に生検を行います。
*当センターはNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構よりマンモグラフィ検診施設画像認定施設として認定されており、マンモグラフィ撮影に精通した技師が従事しています。
泌尿器専用撮影装置(DRシステム)
・Uroskop Omnia Max(SIEMENS社)
令和3年3月導入
IVR下でステント留置術や腎瘻増設等の治療を行います。
また、造影剤を用いてX線透視および撮影を行い、腎臓の機能や腎盂尿管・膀胱の形態も診断します。
X線骨密度測定装置(二重エネルギーX線)
・Horizon C型(HOLOGIC)平成29年3月導入
高精度な二重エネルギーX線吸収測定法を用いて腰椎、大腿骨近位部、前腕の骨密度測定を行います。骨粗鬆症の診断や、薬剤による骨量減少の診断、薬剤の治療効果判定に使用します。
診断用X線TV装置
・DynaDirect Ultimax(東芝)平成18年3月導入
バリウムを飲んで造影を行う上部消化管透視(食道・胃)、肛門からバリウムを注入し造影を行う大腸透視およびその他の造影検査を行います。
診断用X線TV装置はFPD(Flat Panel Detector)搭載型を使用し、歪のない高精細な画像が得られます。
FPD装置(富士フイルムメディカル)
・CALNEO U 平成24年12月導入
・CALNEO Smart 平成30年1月導入
・Console Advance (5台)
・Mobile Art Evolution(Mx8 Version)(島津)
令和3年12月2台導入
・Mobile Art Evolution(島津)平成30年
・Console Advance(タブレット型2台)
X線被ばくが少ないFPDシステムを用いて、手術室や病室(術後回復室・隔離病室・無菌室など)で移動できない患者さんの撮影を行います。
・内視鏡用X線TV装置(DR装置)(2台)
・SONIALVISION eite (島津)
内視鏡を用いて胸部・腹部の検査・治療を行います。
・I-RAD QA(infocom)平成30年1月導入
・SYNAPSE QA (富士フイルムメディカル)
各撮影装置からの画像を受信し、PACS配信前に患者情報・検査情報・撮影部位・画質等が適切なものであることを確認する重要な作業を行います。
CR装置(富士フイルムメディカル)
・PROFECT CS (2台)
・放射線被ばく管理システム 令和2年3月導入 新規導入
血管造影は、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、造影剤を使って体内のあらゆる血管を撮影します。
血管の走行、形態、閉塞などを調べ、治療したい臓器に直接血管から薬を入れ治療を行うこともあります。
当センターでは悪性腫瘍の血管に直接抗癌剤を投与する動注化学療法や、腫瘍血管を詰めて、癌細胞を死滅させる塞栓療法を積極的に行っています。
また、抗がん剤注入のためのポート・カテーテル留置術なども行っています。
IVR-CT(血管造影CT複合型装置)
血管造影撮影装置
・Infinix Celeve-i/INFX-8000C (東芝メディカルシステムズ) 平成24年12月導入
CT装置
・AquilionLB/ TSX-201A (東芝メディカルシステムズ) 平成24年12月導入
血管造影撮影装置
腹部血管造影画像
CTとはComputed Tomographyの略でコンピューター断層撮影法といい、X線とコンピューターを使って身体の輪切りの画像を作り、病気の状態、大きさ、形態、周囲との関係を見ることができます。
CTは全身の撮影が可能で、主に頭頚部、胸腹部、四肢などに分けて検査を行います。
検査には単純検査と造影検査があり、造影検査はヨード造影剤という薬を静脈注射して行います。
また、造影剤を急速注入して経時的に撮影し、各臓器や病変の血行動態を調べるダイナミックCTがあります。
CT装置
・Aquilion Precision 160列(キヤノンメディカルシステムズ) 平成30年3月導入
・Aquilion PRIME 80列(東芝メディカルシステムズ) 平成26年2月導入
・Aquilion LB 16列 (東芝メディカルシステムズ) 平成28年3月導入
マルチスライス160列
マルチスライス80列
マルチスライス16列
・体軸方向に複数の検出器を装備し、短時間で広範囲撮影することができます。
・薄いスライス厚の画像により微小病変を描出できます。
・三次元画像(3D)や任意の断面を表示することができ、病変の状態が分かります。
三次元画像(腹部)
冠状断(肺部)
最近では、CTを使って検査するだけでなく、CTで透視画像を見ながら病気の治療や、腫瘍の一部を採取し組織を調べる目的でも使用しています。
CTガイド下ラジオ波焼灼術(肝癌)
CTガイド下生検
MRIとはMagnetic(磁気)・Resonance(共鳴)・Imaging(画像)の略称です。
この検査は、放射線を使用しません。強い磁石と電磁波を用いて撮像する検査です。長いトンネルの中に入って検査します。撮像中は工事現場のような大きな音がしますので、耳栓または、ヘッドフォンをして入っていただきます。検査にかかる時間は約30分~1時間です。
詳しい画像を撮るために「造影剤」を静脈に注射して検査を行うことがあります。「造影剤」を使うことによって、体の中の様子や血液の流れが見えやすくなり、より正確な診断ができます。
MRI装置
Ingenia 3.0T(フィリップスエレクトロニクスジャパン)平成28年12月導入
Magnetom Vida 3.0T(シーメンス社製)令和3年3月導入
※検査精度の向上
3.0T装置の導入により、短時間で高画質な画像を得られるようになり、CTや既存のMRI装置では見つけにくかった微小な病変に対する検出能力の向上が期待でき、がんなどへの早期発見、早期治療に一層貢献できるようになりました。
※検査環境の改善
MRI検査の需要は年々高まる一方ですが、その検査環境は狭いMRI装置の中に閉じ込められるという、患者様にとって苦痛な状況となっていました。Ingenia 3.0Tの導入により、画質の向上と検査のスピードアップが図れるとともに、装置の開口径が70㎝と既存装置より約10cm広がり、ゆとりのある空間での検査が可能となりました。また、検査室内にMRI装置専用の画像表示装置(sensavue)を設置し、映像と音楽によりMRI検査時の不安を低減し検査中の患者様がリラックスした環境で快適に検査を受けることができるようになっています。
・体軸方向に複数の検出器を装備し、短時間で広範囲撮影することができます。
・三次元画像(3D)や任意の断面を表示することができ、病変の状態が分かります。
金属は検査の妨げになりますので、以下のものは取り外してください。
次のような方は検査が出来ない場合がありますので、必ず事前にお知らせください。
撮像する部位やその周囲に金属等があると、磁場が乱れて画像が歪む可能性があります。このため検査着への着替えをお願いすることがあります。
その際は、スタッフがご案内致します。
核医学検査は、患者さんに放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を投与することからはじまります。投与された放射性医薬品は、種類によりさまざまな臓器や組織に集まり、その体内から出る放射線を装置で検出します。このように核医学検査では、放射性医薬品が臓器や組織にどのような集まり方をするかで、さまざまな機能や代謝を画像やデータとして得ることができます。
CT・MRIなどの形態画像(形を見る画像)では得られない機能・代謝情報は、病態の診断のみならず治療方針の決定や治療効果の判定に重要です。
核医学検査の放射性医薬品は、半減期(放射能量が半分になる時間)が短い放射性物質を使用するので、短期間のうちに体内から消えていきます。また、投与量が少ないので、副作用がほとんどないのが特長です。
検査を受けていただく際には何点か注意事項がありますので、詳しくは診察時にお尋ねください。
PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影法)検査では、ブドウ糖にポジトロン核種(陽電子放出核種)を合成した検査薬剤18F-FDGを静脈に注射します。この薬剤はブドウ糖を消費する細胞に取り込まれ、ブドウ糖消費の多いがん細胞に多く取り込まれます。これにより、がんの大きさ、活動性、転移などを捉え、的確な治療法を選択することができます。
PET/CT装置は、病変の検出能に優れるが位置情報が不明瞭なPET装置と位置情報に優れるが病変検出能に劣るCT装置を組み合わせて、両方の長所を融合させた検査装置です。
PET-CT装置
・Discovery IQ.x(GE社) 平成27年12月導入
・Biograph Horizon (SIEMENS社) 令和元年9月導入
SPECT/CT
・NM/CT 850 (GE社) 平成31年3月導入
当センターでは、下記の核医学治療を行っています。
・ 去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対するラジウム-223(ゾーフィゴ静注)
・ 神経内分泌腫瘍に対するルテチウム-177(ルタテラ静注)
核医学画像は、装置の性能・精度に頼るところが大きく、これらを正しく安全に作動させることが必須条件になります。
当センターでは、機器メーカーによるNEMAやJESRAに準じた点検を行っています。
放射線治療は、エネルギーの高い放射線を使用して病気を治療します。放射線は人体に対して影響がありますが、正常な細胞が受けるダメージを極力少なくし、病変部に集中して放射線が当たるよう、精度の高い治療計画を行っています。
また、手術をすれば傷跡が残ったり、体の動きが損なわれたりする場合がありますが、放射線治療では正常な機能を損なうことなく治療することが可能です。
小さな病巣を標的とし多方向から高精度に集中して放射線を照射することにより、通常の放射線治療よりも周囲の正常組織への放射線量を極力抑えて治療することが可能となる治療法です。
腫瘍の形状に合わせた線量分布により、腫瘍に放射線を集中して照射することができ、正常組織への被ばくを極力避けることができます。
外部から到達可能な体腔に放射性物質(イリジウム(Ir-192))を挿入して照射を行う方法です。当センターでは、婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、膣がん等)に対する治療を行っています。
NovalisTx (Varian & BrainLAB) 平成23年3月導入
TrueBeam® (Varian) 令和2年1月導入
多発脳転移を一度に照射する技術HyperArc®を搭載
これまでは、複数の脳転移病巣に一つ一つ治療を行うため、転移の個数が増えると治療時間が長くなりました。本機能を活用することで、複数の病巣を一度に短時間で治療できます。また、本治療は病巣だけに高線量を照射しつつ、脳実質の線量を飛躍的に低減することが可能となります。
複数の脳転移病巣への放射線量分布
マイクロセレクトロンHDR V3 (Elekta) +
Aquilion LB(Canon) 平成27年4月導入
放射線治療は、医学物理士、放射線治療品質管理士によるQA/QC(品質保証/品質管理)が重要であり、当センターでは有資格者のもと、安全管理体制を構築しています。
法令に基づき、放射線障害に関する情報を提供しています。
<関係法令>
放射性同位元素等の規制に関する法律施行令