診療部の紹介 -腫瘍内科-
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||
内科 | 腫瘍内科 | 15診 | 尾上 | (午前)森田 (午後)池内 |
尾上 | 河村 | 森田 |
16診 | 河村 | 境 | 松本(光) | 松本(光) | 境/池内 | ||
17診 | 担当医 | 担当医 |
近年のがん薬物療法の進歩の結果、臨床腫瘍学の知識を背景として、薬物療法を中心に臓器横断的に各種悪性腫瘍の診療を行う、抗悪性腫瘍薬に精通した腫瘍内科医の必要性が高まってきました。一方で、本邦では従来、がんは多くの場合外科医などの臓器別専門医が中心となって薬物療法も含めて治療されてきた経緯があり、腫瘍内科を設置している病院は全国的にもまだ少ないのが現状です。当科は、がんの検査、治療、研究を行う当センターにおいて、がん薬物療法を専門的に扱う診療科として、平成17年4月に新設されました。令和2年9月からは、常勤医師7名の体制で診療を行っています。当科医師は腫瘍内科外来以外に、外来化学療法センターの運営や診療支援、遺伝外来、がんゲノム医療外来も担当しています。
「兵庫県民に最新のがん薬物療法を提供する」を科のミッションとしています。
具体的には以下の3つを科の目標としています。
(1)固形がん全般に、科学的根拠に基づいた標準治療を提供する
(2)現存の標準治療をより向上させるべく、臨床試験に積極的に取り組む
(3)次世代の腫瘍内科医を育成する
(1)成人の固形がん全般に対して臓器横断的にがん薬物療法を中心とした専門的な診療を行っております。科学的根拠に基づき(=EBM:evidence based medicine)、それぞれの患者様に最適と思われる治療方針を提案させていただきます。適切なEBMの実施には経験も含めた高い専門性も求められますが、当科は乳腺・希少がん・婦人科がん・頭頸部がんに特に高い専門性を有しております。必要に応じて院内外の他の診療科とも積極的に連携しております。詳細な病状と治療による利益、不利益を説明の上で、患者様やご家族とよく相談し、同意をいただいた後に治療を進めてまいります。がん薬物療法に関しては、患者様の生活の質(=QOL:quality of life)を保つことも大切な要素の一つであるため、支持療法(=副作用対策)、緩和療法(=症状に対する対症療法)を十分に行います。安全性に十分配慮しながら、可能な限り外来でがん薬物療法を行うように心がけています。随時セカンドオピニオンも受け付けています。
また、チーム医療を推進すべく、週に一度、全ての入院患者様を対象とした総カンファレンスを、看護師、薬剤師、MSW、緩和ケア医、緩和ケアチームの専門看護師等も参加の上で行っています。
(2)に関して、新規薬剤(分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬を含む抗悪性腫瘍薬、支持療法薬)の開発治験や、本施設単独並びに多施設共同の臨床試験にも積極的に参加しています。新しい選択肢を患者さんに少しでも多く提供できるよう、がんゲノム医療外来にも精力的に取り組んでおります。これまでの取り組みを評価頂きFirst in Humanも含む早期開発治験や第2相、第3相試験を多数受託しております。また医師主導臨床試験にも積極的に取り組み、JCOG(婦人科腫瘍グループ代表委員、頭頸部がんグループ)やWJOG(乳腺グループアドバイザー)など臨床試験グループの活動にも積極的に参加しております。
(3)に関して、腫瘍内科フェロー、専攻医を積極的に採用し、日本臨床腫瘍学会認定のがん薬物療法専門医取得を目指して、ASCO/ESMOグローバルコアカリキュラムに基づいた日本臨床腫瘍学会作成「がん薬物療法専門医のための研修カリキュラム」に沿った研修を受けて頂いています。当科発足から現在まで15年間で11名ががん薬物療法専門医を受検し、全員1回で合格されています。研修についての詳細は下記、別項を参照下さい。
受診の際には、基本的に現在の主治医の先生からの紹介状が必要です。また、紹介状に加えて画像データ(X線、CT、MRIなど)や病理標本などの資料が必要になることもありますので、事前に主治医の先生とどのような資料が必要かよくご確認下さい。また、現在投薬を受けている場合は、紹介していただく主治医の先生の投薬内容はもちろん、複数の医療機関を受診しているときは、全ての医療機関の投薬内容がわかるお薬手帳や処方箋をご持参ください。なお、当科では診療する患者さん全員に禁煙を約束頂き、また代替療法は全て禁止とさせて頂いていますのでご了承下さい。
基本的にがん種を問わず、臓器横断的に成人の固形がん全般のがん薬物療法を担当させていただいております。症例数の多い腫瘍はもちろん、原発不明がんや肉腫など希少がんに対しても積極的に診療を行っております。症例によっては、必要に応じて臓器別各内科、外科と連携して検査、診療に当たらせていただきます。原発不明がん疑いなど、「現時点ではどの科に紹介したら良いか分からない」「まだがんかどうかも分からない」場合も遠慮無くご紹介下さい。迅速に精査し、消化器がんや呼吸器がんなど原発が判明した場合はむやみに当科で抱え込まず、院内外の適切な施設とも連携しております。診療予約枠に地域医療連携枠を設けておりますので、ご紹介頂く際にはご活用下さい。セカンドオピニオンも基本的に固形がん全般に対応し、随時受け付けております。
上記目標にも掲げたように、当科は開設以来、次世代の腫瘍内科医を育成することに力を注ぎ、がん薬物療法専門医取得を目指して日本臨床腫瘍学会作成「がん薬物療法専門医のための研修カリキュラム」に沿った研修を行っています。本人の希望と必要性に応じて、国立がん研究センターなどの他施設での専門的な出張研修、一般内科診療力の他県立病院でのブラッシュアップ研修、地域のホスピスや一般内科施設などでの短期研修もアレンジしています。当科の研修の特色としては、若手のみならず中堅の先生も受け入れていること(30代、40代年齢不問で実績あり)、他診療科から腫瘍内科医に転向しようとされる先生も内科系・外科系問わず受け入れていること、が挙げられます。また、がん薬物療法専門医取得希望者以外でも、他診療科の先生のローテーション・研修や学生実習、学生の見学も積極的に受け入れています。
各種の資格取得に加え、当科での研修の目標を以下の様に位置づけています。
(1)悪性腫瘍全般の標準治療を理解し、全ての固形がんの化学療法を実践できる
(2)化学療法による様々な有害事象に、適切に対応できる
(3)初診から治療方針決定、治療終了まで、がんチーム医療の舵取り役を担える
(4)緩和ケアにも精通し、がん患者様に対して適切な医療面接の技術を持つ
(5)各種臨床研究に携わり、学会、論文など学術発表の場を持つ
当科では、全入院患者様の病状、治療方針について、医師同士で、毎日議論する場を設けており、様々な意見を聞くことで病態や治療に関して理解を深めることが可能です。また、腫瘍内科医たる前に、優れた内科医であるために、臨床腫瘍学のみならずその土台となる一般内科学や感染症診療にも力を入れた研修姿勢を大切にしています。
研修期間中、希望に応じて、院内各科へのローテーションや他の兵庫県立病院での研修が可能です。さらに、国内及び海外の他の最先端施設への留学の実績もあり、希望に応じて相談が可能です。
当科での研修に関して、興味をお持ちの方は下記までお気軽にお問い合わせ下さい。随時、見学を受け付けております。
スタッフ | 資格等 | 主な所属学会 |
---|---|---|
松本 光史 腫瘍内科部長(診療科長) 1999年卒 |
日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医・指導医・評議員 | 日本臨床腫瘍学会 |
日本内科学会認定総合内科専門医 | 日本内科学会 | |
日本乳癌学会認定乳腺専門医・指導医 | 日本乳癌学会 | |
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医 | 日本人類遺伝学会 | |
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医 | 日本遺伝性腫瘍学会 | |
日本婦人科腫瘍学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会会 | ||
日本がんサポーティブケア学会 | ||
日本癌学会 | ||
日本癌治療学会 | ||
American Socitey of Clinical Oncology | ||
European Society of Medical Oncology | ||
尾上 琢磨 腫瘍内科医長 2007年卒 |
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 | 日本臨床腫瘍学会 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 | |
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医 | 日本遺伝性腫瘍学会 | |
日本乳癌学会認定乳腺認定医 | 日本乳癌学会 | |
日本乳がん検診制度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医 | ||
日本頭頸部癌学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会 | ||
日本癌学会 | ||
日本禁煙学会認定専門指導者 | 日本禁煙学会 | |
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本癌治療学会 | |
AYAがんの治療と支援のあり方研究会 | ||
日本静脈経腸栄養学会 | ||
American Socitey of Clinical Oncology | ||
境 秀樹 腫瘍内科医長 2010年卒 |
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 | 日本臨床腫瘍学会 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 | |
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医 | 日本遺伝性腫瘍学会 | |
日本消化器病学会専門医 | 日本消化器病学会 | |
日本消化器内視鏡学会 | ||
日本乳癌学会 | ||
日本頭頸部癌学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会 | ||
日本癌学会 | ||
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本癌治療学会 | |
森田 充紀 腫瘍内科医長 2011年卒 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 |
日本呼吸器学会呼吸器専門医 | 日本呼吸器学会 | |
日本感染症学会感染症専門医 | 日本感染症学会 | |
日本肺癌学会 | ||
日本乳癌学会 | ||
日本臨床腫瘍学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会 | ||
日本遺伝性腫瘍学会 | ||
日本癌学会 | ||
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本癌治療学会 | |
ICLS・JMECCインストラクター | ||
緒方 美里 腫瘍内科医長 2014年卒 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 |
日本乳がん検診制度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医 | 日本乳癌学会 | |
日本消化器病学会 | ||
日本臨床腫瘍学会 | ||
日本緩和医療学会 | ||
日本臨床腫瘍学会 | ||
日本緩和医療学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会 | ||
日本遺伝性腫瘍学会 | ||
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本癌治療学会 | |
河村 美由紀 腫瘍内科医長 2015年卒 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 |
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医 | 日本遺伝性腫瘍学会 | |
日本乳癌学会 | ||
日本消化器病学会 | ||
日本消化器内視鏡学会 | ||
日本臨床腫瘍学会 | ||
日本頭頸部癌学会 | ||
日本サルコーマ治療研究学会 | ||
日本人類遺伝学会 | ||
日本癌学会 | ||
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本癌治療学会 | |
日本医師会認定産業医 | ||
American Socitey of Clinical Oncology | ||
池内 香子 腫瘍内科フェロー 2000年卒 |
日本内科学会認定内科医 | 日本内科学会 |
日本内科学会認定総合内科専門医 | 日本内科学会 | |
日本消化器病学会専門医・指導医 | 日本消化器病学会 | |
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 | 日本消化器内視鏡学会 | |
日本肝臓学会専門医 | 日本肝臓学会 | |
日本臨床腫瘍学会 | ||
日本遺伝性腫瘍学会 | ||
日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 日本がん治療学会 | |
日本医師会認定産業医 | 日本医師会 | |
京都大学医学博士 |
2022年10月