その他の部門 -検査部-
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国際規格「ISO15189」の認定取得 更新しました
兵庫県立がんセンター検査部は、平成29年2月21日に臨床検査の国際規格であるISO15189(臨床検査室:品質と能力に関する特定要求事項)の認定を取得しました。その後、定期サーベイランスと再審査を受け令和3年2月15日に更新が認定されました。
ISO15189とは、臨床検査に特化した国際規格です。
検査結果は、がんの診断・治療方針の決定・予後推定・治療効果の評価に重大な役割を担っています。国際規格による認定取得は、臨床検査室の技術能力が国際的に認められたということになります。臨床検査室から報告される検査結果が、信頼性の高いものと認められたことになり、それをもとに行われる当センターのがん診療の信頼性の担保にもつながります。
認定範囲には、検体検査部門(生化免疫・血液輸血・微生物・一般)だけでなく、がん診療には不可欠な病理部門・生理機能部門も含まれています。国際的に認められた検査技術により質の高い検査結果を提供し、当センターのがん診療を支えていくよう、これからも品質管理と技術能力の向上に検査部スタッフ一同取り組んでまいります。
検査部では、病気の原因を究明するための情報や、治療方針の決定と薬の適否を考えるための情報を、「正確に早く」提供することを任務としています。専門の臨床検査技師が医療チームの一員として高度医療に沿えるよう、各学会の認定資格取得や研修会への参加を通じて研鑽に努めています。
検査結果の品質を確保するため、日々の内部精度管理はもちろんのこと、日臨技臨床検査精度管理調査を始めとする各種の外部精度管理サーベイに積極的に参加し、信頼性の高い検査データを提供できるよう努めています。
また、緊急時及び時間外手術に対応するため、24時間体制で検査を実施しています。
がんセンターの検査部としてそれぞれ部門ごとに特徴ある検査を行い、以下のような資格や認定を有する臨床検査技師が検査に携わっています(延べ人数)。
資格・認定名称 | 人数 |
---|---|
細胞検査士 | 11 |
遺伝子分析科学認定士初級 | 1 |
遺伝子分析科学認定士一級 | 1 |
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 | 6 |
有機溶剤作業主任者 | 3 |
二級臨床検査士(病理学) | 6 |
二級臨床検査士(微生物学) | 1 |
認定病理検査技師 | 1 |
認定血液検査技師 | 2 |
認定微生物検査技師 | 1 |
日本サイトメトリー技術者認定 | 2 |
緊急臨床検査士 | 1 |
超音波検査士(体表臓器) | 2 |
超音波検査士(消化器) | 3 |
超音波検査士(循環器) | 4 |
超音波検査士(血管領域) | 1 |
日本糖尿病療養指導士 | 2 |
R4.6.1現在
全自動生化学免疫検査装置
全自動免疫検査装置
血液、尿、穿刺液中の糖、蛋白、脂質、酵素、電解質など約40項目を、自動分析装置を用いて測定しています。
感染症、腫瘍マーカーを中心とした検査を行っています。
感染症は術前検査として、腫瘍マーカーは腫瘍発見の為の検査の一つ、また治療の効果判定に有用な検査です。
現在、免疫測定装置3台を用いて、診察前検査に対応しています。
自動血球計数装置を用いた血液中の白血球・赤血球・血小板数の測定、血液凝固検査、顕微鏡を用いた血球の形態学的検査などを行っています。これらの検査を行うことにより、貧血や炎症状態、出血傾向および白血病などの造血器腫瘍の診断や治療効果判定に貢献しています。
骨髄移植関連検査としてCD34陽性細胞定量や臍帯血生細胞数測定を行い、迅速な結果報告により、より安全な移植療法に貢献しています。
また造血器腫瘍の診断や病型分類、モノクローナル抗体薬の適応の判断、治療効果判定などに不可欠なフローサイトメトリー検査を平成22年度より院内実施しており、より迅速な結果報告が治療の早期開始などにつながっています。
尿自動分析装置
尿や便などの検査を行っています。尿の定性検査や沈渣で、腎や尿路系に異常がないか検査します。また、便潜血の検査では大腸などの下部消化管からの出血の有無を調べ、大腸がんの早期発見のスクリーニング検査として有用です。
微生物部門では感染症の起炎微生物の検出と同定検査、薬剤感受性(抗生物質)検査を主な業務としています。全自動同定・薬剤感受性検査システムをはじめ、全自動血液培養測定装置を用いて、感染症の迅速検査に努めています。
院内感染対策(ICT)活動として特に易感染者の感染防止体制や発生状況の監視、予防のための教育、指導および事故発生時の処理等をチームとして参画しています。サーベイ報告としてはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や結核をはじめ、その他耐性菌情報を迅速に発信しています。
全自動血液培養測定装置
手術や生検によって摘出された組織から標本を作製し、顕微鏡にて診断を行います。通常の染色で組織の構造や形を判断するだけでなく、粘液やタンパク、金属などの特殊染色、免疫組織化学的染色を行うことにより診断精度の向上に努めています。また蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)という手法を用いて、腫瘍細胞の遺伝子の変異や過剰発現を検出することにより、モノクローナル抗体薬の適応や治療方針の決定に役立てています。
ミクロトーム
免疫染色装置
手術中に悪性の判定や組織の切除範囲を決定するために行います。手術室より提出された臓器で凍結標本を作成し、15~20分で手術中に診断を行っています。
凍結切片作製装置
胸水、腹水、心嚢液、脳脊髄液、尿などからの液状検体や組織の擦過、穿刺標本を作製し、顕微鏡で異常細胞の有無を観察し診断する検査です。
病理組織検査と細胞診検査は相互に補完しながら精度の高い診断を行います。
病理解剖は死因の解明、治療効果の判定のために行っており、その結果については診療科と合同でカンファレンスを行うなどして、今後の医療の進歩,向上に役立てています。
生理機能検査は病気を治療する際に必要です。心臓や肺の機能が手術や化学療法などの治療を受けられる状態かどうか調べたり、治療の副作用によって心肺機能が低下していないか調べるために検査します。
また、手術前には下肢静脈の血栓検索を行い肺塞栓症の防止やIVCフィルターの必要性の評価を行っています。
輸血検査室では、①血液センターから供給される輸血用血液製剤および自己血の保管・管理業務、②ABO血液型検査や輸血する血液との適合をみる交差適合試験 などの検査業務を行っています。安全な輸血を行うため、臨床検査技師が24時間体制で輸血業務を行い、また、血液製剤の適正使用および有効利用の推進、副作用の把握と防止の実現のために輸血療法委員会などを通じて、院内の教育,啓蒙活動を行っています。
全自動輸血検査システム
輸血製剤専用保冷庫、冷凍庫
No | 研究タイトル | 研究計画書 |
---|---|---|
1 | ADVIA2120i RBC Matrixならびにオリジナルパラメータを利用した各種疾患のpre-Classificationへのアプローチ | 研究計画書(起案書)Ver1.0 |
2 | 肺癌分子診断における高解像度融解曲線分析法の有用性 | オプトアウト 検査内容 |
3 | 全自動遺伝子検査装置GENECUBE及び感染症起因菌遺伝子検出試薬を用いた臨床性能評価試験 | 情報公開文書 |
なお、上記の試験への参加をご希望されない方は辞退することが可能ですので、研究計画書内に記載されている事務局担当者までお知らせください。
検査部では、患者さんの血液や尿などの検体を用いて様々な検査を実施しています。検査後の検体は通常廃棄しますが、その一部を精度管理や教育、研究などの医療の質の向上のために使用することがあります(がんセンター受診時で包括同意をされた方のみ)。
残余検体を使用するために採血量が増えることや費用負担が発生することはありません。また、使用の際は匿名化するために個人情報が漏れることはありません。
残余検体の使用を拒否される場合は、下記まで連絡をお願い致します。ご連絡を頂いた方の検体は使用いたしません。
兵庫県立がんセンター 検査部 検査技師長
〒673-8558
明石市北王子町13-70
TEL:078-929-1151(代)
検査についてのご意見やご質問がございましたら、がんセンターホームページのトップページ、お問い合わせをご利用ください。
兵庫県立病院では、就職に対する不安や疑問点を解消するために、病院の見学・若手職員との意見交換を開催しています。
詳しくは兵庫県ホームページをご覧ください。ポスター