診療部の紹介 -歯科口腔外科-
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当科では口腔がんを対象としてその治療を行っています。標準治療としては、外科的手術を原則として、必要な場合は術後(化学)放射線療法を施行しています。
当科における口腔がん(SCC)一次症例(2008/1~2018/12)としては、舌:250例、下顎歯肉:70例、上顎歯肉:70例、頬粘膜:56例、口腔底:46例、口蓋:6例、口唇:5例、顎骨中心:3例、計506例に根治的治療を行いました。
当科の診療範囲としては、口腔の範囲に生じるがん全てです。その定義は中咽頭より前方に生じるがんという事になりますが、具体的な部位については上記のような部位になります。
標準治療については、原発巣に関しては10~15mmの安全域を設定し、ルゴール液や口腔粘膜蛍光観察機器を併用し切除を行っています。頸部リンパ節転移に対しては、それぞれの患者様の転移様式に応じて根治的頸部郭清や、より機能温存に配慮した選択的頸部郭清を選択して行っています。
T1では局所切除、T2-4では予防的頸部郭清を行い頸部リンパ節と原発巣を一塊に切除する方が予後がよいという報告もあります。ただ予防郭清の適応基準については一定の見解は得られていません。術後再発高リスク例に対しては術後(化学)放射線療法を施行しています。
代表的な舌がんと、舌がんを含む口腔がん全体の疾患特異的累積生存率(2008-2018)について以下に示します。
■舌癌(250例)UICC8th
StageⅠ:99.0%
StageⅡ:93.5%
StageⅢ:75.9%
StageⅣ:68.4%
全体:86.6%
■口腔がん(506例)UICC7th
StageⅠ:95.7%
StageⅡ:86.1%
StageⅢ:73.6%
StageⅣ:70.2%
全体:84.4%
2021年2月