○子宮体癌:最近、顕著な増加傾向が見られます。更年期以降の女性だけでなく、20~40才代の女性にも発症するようになりました。治療法は手術療法が基本であり、術前MRI診断による筋層浸潤の程度から術式を考慮しています。子宮全摘術、両側付属器摘出、骨盤リンパ郭清が基本術式ですが、筋層浸潤2分の1以上、卵巣転移、骨盤リンパ節転移陽性、予後不良とされる組織型の場合などには傍大動脈リンパ節郭清まで施行しています。術後の化学療法や放射線療法も適宜併用しています。また、患者さんの若年化から、妊孕能温存を希望される場合が増加しており、大量黄体ホルモン(MPA)療法を施行しています。
○卵巣癌・腹膜癌:最近、明らかな増加傾向にあり、しかも症状に乏しいために半数以上が進行癌として発見され、10年以内に婦人科癌による死因のトップになると予想されています。半数近くの患者さんが死亡する予後の悪い癌であり、それに対応して治療法も大きく変わりつつありますが、初期治療法の選択が最も重要です。卵巣癌は抗癌剤(特にプラチナ製剤とタキサン類)に対する感受性の高い固形癌ですが、手術療法と効果的に組合せてこそ完全治癒や長期生存が達成されます。また、臨床期や組織型などにより治療法が異なることから、十分な情報提供とインフォームドコンセントに基づいた症例ごとの個別化治療を進めています。若年者の早期癌に対しては患側卵巣の摘出だけの縮小手術を行う一方で、進行卵巣癌に対しては傍大動脈リンパ節郭清を含め徹底した根治術を施行しています。手術後の残存腫瘍の大きさが抗癌剤の有効性に影響することから、外科の協力により腸切除などを含め腹腔内病巣を可及的に摘出しています。また、化学療法は腫瘍内科と連携して実施し、自宅生活を可能とするために、外来での抗癌剤投与も積極的に取り入れてQOLを高めています。
| 子宮頸癌: | I期 93.2% | II期 72.9% | III期 66.4% | IV期 27.8% |
| 子宮体癌: | I期 96.8% | II期 91.7% | III期 62.3% | IV期 26.4% |
| 卵巣癌: | I期 90.5% | II期 79.4% | III期 36.9% | IV期 22.5% |
2009年9月