

黒色の結節がゆっくりと大きくなるもので、顔に発生することが多いです。最初はホクロのようだったものが、徐々に大きくなり、中央が潰瘍(表面がくずれる)化して、出血するようになってきます。転移することは極めて少ないですが、十分に切除しておかないと、同じ部分に再発することがあります。当科での手術例では再発症例はなく、生命予後は極めて良好です。手術治療の困難な場合には放射線治療を行います。
ガサガサした病変などから盛り上がった赤い結節が生じてきます。顔や手など紫外線の影響を受ける部分に生じやすいです。また、やけどや、ケガの傷跡(瘢痕)から発生する場合もあります。
病巣が浅く皮膚に限局する場合には5年生存率は92%~96%(ステージⅠおよびⅡ)ですが、深部に浸潤する腫瘍やリンパ節に転移した場合(ステージⅢ)にはと、5年生存率は62%と低下します。また遠隔転移したステージⅣでは5年生存率は38%と不良です。 (当センターデータ)。単なる手術治療では治癒困難な場合には、放射線治療、化学療法を行います。
皮膚のメラニン色素を作る細胞が悪性化したもので、実際黒い色をした病巣ができてきます。盛り上がりのない平坦な色素斑で始まり、その中に隆起した結節(しこり)ができてきます。日本では足の裏に多いですが、紫外線の影響で顔や腕にできる方も少なくありません。大きく(最大径6mm以上)、形や色調の不規則な色素斑は要注意で、一度お近くの皮膚科で診て貰うことをお勧めします。爪では黒い線として見え、だんだんと幅が太くなってきます。

足底の不規則な斑

顔面の結節と黒色斑

爪甲の太い線条
当科での5年生存率は浅くて転移のないStage Ⅰでは95%、ある程度の深さのあるStage Ⅱでは77%、リンパ節転移のあるStage Ⅲでは53%と進行に従って低くなっています。当科ではリンパ節転移の検出を目的にセンチネルリンパ節生検を行っています。
手術に加えて、必要に応じて化学療法、免疫療法を行います。
乳房外パジェット病の多くは、肛門の周囲や、男性では陰茎、陰嚢に、そして女性では陰唇など、いわゆる外陰部に発生します。湿疹の様に見え、赤い斑で、褐色の部分があったり、ビランしてジュクジュクすることもあります。掻痒(かゆみ)を感じることもあります。表皮に病気が限局している初期のうちに十分な治療ができれば、その後の心配はなくなります。しかし、この病気のことを知らないと単なる湿疹や、タムシなどのカビの病気として、間違った治療を続けたり、放置しているうちに、病気が進行してしまいます。結節(しこり)ができ、更にリンパ節などに転移し生命にもかかわってきます。困るのは発生しやすいのが外陰部という、他人に見られたくない部分であることです。病気のためとは言え、また、相手は医者だとは言え、厭だなと思うのは当然です。まして、御自分では「多分湿疹だろうし、これぐらいのことで受診するのも・・・」と考えられると、皮膚科への足が遠のくのも無理ありません。でも乳房外パジェット病は、極めて稀な病気ではありません。気になる皮膚症状があれば、一度皮膚科専門医を受診してください。乳房外Paget病の5年生存率は、表皮内に限局した時期・真皮浸潤の時期・局所リンパ節転移の時期ではいずれも100%で、遠隔リンパ節転移では32%に減少します。遠隔臓器転移の場合には1年生存率で30%と極めて不良です。
2009年5月