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皮膚科

診療カレンダー

   
皮膚科 1診 髙井 髙井 川田 髙井
2診 川田 八尋 髙井 八尋

(A)は予約診療のみの診察枠です。

概要

皮膚科では、皮膚の悪性腫瘍に対する診断、治療を主として行っています。皮膚がんにはいくつかの種類があり、高齢者に多く、若年時からの紫外線曝露の積み重ねで発症するタイプのものは、社会の高齢化に伴ってその発生頻度が増加してきていますし、一般の方へのマスコミその他の啓蒙により、悪性度が高く、早期発見が重要な皮膚がんの存在も広く認識されるようになってきました。当センター皮膚科では皮膚がんの確定診断がついた患者様の治療はもちろんですが、診断の難しい皮膚病変に関しても積極的に組織検査などを行い、確定診断、適切な治療の決定に努めています。
早期段階の皮膚がんや、局所での増殖が主となるような低悪性度皮膚がんでは、手術が治療の基本となります。当科では毎年、手術室で行ったものと外来施行のものを合わせ、年間700件超の手術を行っています。また、近年では切除不能な進行期悪性黒色腫の薬物治療が急速に進歩しており、以前に比べて予後の改善が期待されるようになってきています。当センター皮膚科は、最新の知見と経験に基づいて、エビデンスに則った専門的治療を提供し、皮膚悪性腫瘍の患者様の治療成績の向上、生活の質の向上に努めています。
また、最近のがん治療の進歩により、種々のがんに対して先進的な手術や放射線治療、新しい薬物治療が次々と導入されていますが、その中には特有の皮膚障害や皮膚症状を呈するものも少なくありません。他の診療科でがんの治療中の患者様で、治療に関連した皮膚症状でお困りの患者様について相談をお受けし、当該科の治療に極力支障が生じないよう、対応、加療も行っています。

主な皮膚がんの症例数
2014年 2015年 2016年
悪性黒色腫 44 43 35
有棘細胞がん 27 29 30
基底細胞がん 58 46 68
乳房外Paget病 20 21 16

トピックス

皮膚がんの中でも悪性黒色腫(メラノーマとも)は、急速な増大と転移傾向を示し、非常に悪性度の高い腫瘍として知られています。切除不能例や遠隔転移例の予後は不良で、ステージⅢ症例の5年生存率が約50%、ステージⅣのそれは10%と程度と報告されてきました。進行期の薬物治療として、従来は抗がん剤治療が行われてきましたが、その効果は十分とは到底いえない状況でした。新たな薬物治療の開発も多く試みられましたが、大きな進展のない状態が20年以上続いてきました。しかしここ数年で、悪性黒色腫の治療に効果のある新薬の臨床試験結果が次々と報告され、治療革命とも言える状況です。具体的には、免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブが国内で保険承認を取得しました。これらの薬剤は従来の治療に比べ奏効率が高く、また腫瘍縮小が比較的長続きする傾向があるのも特筆すべき点です。そして、悪性黒色腫の一部で異常がみられるBRAF遺伝子変異を標的にした阻害剤としてベムラフェニブや、ダブラフェニブ・トラメチニブ2剤併用療法が開発され、これらも本邦で使用可能となっています。この薬剤はBRAF遺伝子に変異がない場合には無効で、治療対象となりません。日本人に多い足底に生じるタイプの悪性黒色腫では変異率が低いため、使用できる例があまり多くないという問題はありますが、従来の抗がん剤を上回る延命効果が報告されています。当科でもこれらの薬剤を導入し、治療を行っています。しかし、やはり進行期の病気を根治することは極めて難しいことには変わりなく、今後さらなる進歩が待たれるところです。

当科を受診される方へ

皮膚科では4名の医師が診療にあたっています。手術治療においては、根治性を最重要視することは勿論ですが、その一方で過度、不必要な身体的負担につながらないよう、画像検査や組織検査の結果をもとに綿密な術前検討を行い、適正な手術範囲、術式を決定しています。そして手術後の生活に支障がなく、傷あとが極力目立たないよう配慮した修復も心がけています。その他、薬物療法、放射線療法など、総合的に皮膚がん診療を行っています。
がんの治療を中心とした施設ではありますが、必要に応じて、良性腫瘍や、良悪の鑑別の難しい病変についても診断、治療を行います。ただ、腫瘍性の疾患に特化しているという当センターの性質上、非腫瘍性の皮膚疾患(乾癬などの炎症性疾患、アレルギー、感染症、自己免疫性疾患など)について専門的な診断、検査、高度で先進的な治療などが必要な際には、他院にご紹介する事もあります事をご理解、ご了承ください。

セカンドオピニオンについて

皮膚がんに関するセカンドオピニオンをご希望の方は、地域医療連携室に予約の上、ご遠慮なくお越しください。

紹介元の先生方へ

当科では病院全体のがんを主とする専門的な診療への特化という方針に沿って、皮膚悪性腫瘍を中心に診断治療を行っています。主な対象疾患は、悪性黒色腫、乳房外Paget病、基底細胞がん、有棘細胞がん(上皮内がん含む)、皮膚付属器がん、メルケル細胞がん、皮膚悪性リンパ腫、表在性軟部悪性腫瘍、転移性皮膚腫瘍などとなります。その他、手術治療の対象となりうる良性腫瘍なども対応致しますので、遠慮なくご紹介くださいましたら幸いです。
適切な治療のためには正確な診断、評価が不可欠と考え、病理診断を重視しています。肉眼所見で診断に苦慮する病変や、生検や切除の結果で悪性が疑われるが確定できていない、といったケースにも対応させていただきます。生検後のご紹介の場合、疾患の種類により、未染色切片のご提供や標本の貸し出しなどをお願いすることがございます。お手数をおかけしますが、そのような際にはご高配くださいますようお願い申し上げます。
手術治療に関しては、腫瘍の病理組織学的特徴や解剖学的部位、患者背景などを考慮して術前の検討を行い、適正な切除範囲を設定します。切除後の再建についても機能面、整容面でのマイナスを極力小さく、QOLを保持できるように術式を検討し、必要に応じて二期的な修正手術なども行っています。
ガイドラインに沿った標準治療を基本とし、悪性黒色腫についてはセンチネルリンパ節生検や標準的な化学療法、さらに切除不能例では上述の免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬による治療も行っています。集学的治療、複数診療科での対応が必要な症例に対しては、頭頸部外科、消化器外科、乳腺外科、形成外科、整形外科、放射線科、脳外科、緩和医療科など、他科の協力を得て治療にあたっています。

現在、皮膚科で行っている、あるいは協力している臨床試験、研究調査は下記のとおりです。
(すべて、調査研究の主たる施設および当センターの倫理委員会の承認を得ています)

スタッフ

スタッフ 資格等 主な所属学会
高井 利浩
皮膚科部長(診療科長)
1997年卒
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 日本皮膚科学会
同 皮膚悪性腫瘍指導専門医 日本皮膚外科学会
ICDP-UEMS認定 国際皮膚病理専門医 日本皮膚悪性腫瘍学会
  日本皮膚病理組織学会
日本皮膚病理組織学会理事 ASDP(米国皮膚病理学会)
日本皮膚外科学会評議員 ISDP(国際皮膚病理学会)
日本癌治療学会
川田 裕味子
皮膚科医長
2004年卒
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 日本皮膚科学会
  日本皮膚悪性腫瘍学会
  日本皮膚外科学会
八尋 知里
皮膚科医長
2012年卒
  日本皮膚科学会
  日本アレルギー学会
  日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会
横山 大輔
皮膚科専攻医
2015年卒
  日本皮膚科学会
  日本皮膚悪性腫瘍学会
   

2018年4月