兵庫県立がんセンターTIMES

がんセンタータイムズ

第10回 乳房X線検査、マンモグラフィって?

病院や病気のことで気になることを病院で働いている職員さんにインタビューする ともタンの院内散歩です。

ともタン:

こんにちは。兵庫県立がんセンターのマスコットキャラクター ともタンです。

第10回目は、「乳房X線検査、マンモグラフィって?」です。

リンパ浮腫について兵庫県立がんセンターのリンパ浮腫セラピストさんに聞きました。

よろしくお願いします。

放射線技師:

よろしくお願いします。

ともタン:

早速ですが、乳房X線検査について教えてください。

放射線技師:

乳房X線検査(以下、マンモグラフィ検査)は、乳がん発見に必要不可欠な検査になります。乳がんの疑いがある、あるいは、乳がんであると確定した場合、マンモグラフィ検査をはじめとする、超音波検査、CT検査、核医学検査、MRI検査などの画像検査を必要に応じて行います。

ともタン:

見えない部分のことなので仕方ないかもしれませんが、たくさん検査をするんですね。

放射線技師:

そうですね。

病気を見つけたり、診断したりするのに適した検査が存在するため、1種類だけでなく、たくさん検査をする必要があるんです。

ともタン:

なるほど。

検診では、超音波検査とマンモグラフィ検査がよく行われていますよね?

放射線技師:

そうなんです。

乳腺の病変は大きく分けて「石灰化病変」「腫瘤病変」「その他の病変」に分類されます。

「石灰化病変」は、乳房内の極めて小さい石灰状の粒を指します。「腫瘤病変」は、形を形成し、正常と異なる組織形態を示す病変、「その他の病変」は、石灰化や腫瘤以外の病変を指します。これらは、すべてががんと診断されるのではなく、良性と悪性が混在しています。

マンモグラフィ検査は、「石灰化病変」を観察するのに適した検査となります。腫瘤も観察できますが、すべての腫瘤を観察できるわけではありません。

また、乳腺が多い乳房(dense breast)では、腫瘤の観察が困難な場合があります。

腫瘤がよく観察できるのは超音波検査で、こちらは逆に石灰化の描出が難しい場合が多いです。

マンモグラフィ検査と超音波検査が、がん検診でセットになって行われやすいのはこのためです。この2つの検査は、乳がんの病変描出に非常に適しているのです。

ともタン:

良性か悪性か、この検査2つだけでは判断できないんですか?

放射線技師:

そうですね、判断できません。さらに詳しくお話しすると、画像検査だけでは悪性の判断はつきません。

ともタン:

画像検査をたくさんしてもまだわからないんですか?

放射線技師:

基本的には、問診、血液検査、画像検査を行った後に、組織を採取、病理検査にかけ、ようやく診断がつきます。組織採取の手法として、当院では画像検査を用いた超音波ガイド下生検、マンモグラフィガイド下生検、MRIガイド下生検などが行われています。診断の補助だけでなく、組織生検にも画像検査は必要不可欠となってくるのです。

ともタン:

ちなみに、マンモグラフィ検査と超音波検査以外の検査はどういった理由で行われることが多いんですか?

放射線技師:

CT検査やMRI検査(MRI下生検を除く)、核医学検査などは、乳がんが確定した場合に行います。これらの検査は、乳がんの悪性度、すなわち増殖や転移、再発のしやすさなどを考慮し、医師が判断し撮影を行います。

ともタン:

マンモグラフィ検査は胸を押しつぶして検査しますよね?あれはなぜなのでしょうか?

放射線技師:

マンモグラフィ検査で乳房を圧迫するのにはもちろんきちんとした理由があります。それは、

  • 被ばくを少なくするため
  • 乳腺を広げ、病変を観察しやすくするため
  • 動きの影響を少なくするため

です。

乳房が薄ければ薄いほど、放射線は少なく済みます。また、乳房を固定することで体動が生じることを防ぎ、さらに押しつぶして乳腺を広げることで、より正常な乳腺と病変を分離し、診断しやすい画像を得ることができるようになるのです。

ともタン:

圧迫に意味があるのは理解できますが、痛みを和らげるコツなどはありますか?

放射線技師:

一定の痛みが伴うのは検査の特性上仕方ありませんが、

  • 力を抜くこと
  • 深呼吸をすること

が一番効果的だとされています。

また、月経で生じる乳房の張りは乳房圧迫時、より痛みを引き起こす原因となります。痛みが強い場合は、受診タイミングをずらして検査するのも一つの手段かと思います。

撮影時、あまりに痛くて我慢できないときは決して無理せず、撮影している放射線技師に伝えてみてくださいね。

ともタン:

検査のそれぞれが大切だということはわかったのですが、こんなにX線を体に当てて被ばくは大丈夫なのですか?

放射線技師:

あまり深刻に考える必要はありません。検査の種類や方法によって、照射される放射線量に大小はありますが、健康に被害を及ぼすほど強い放射線を使用することはほとんどありません。よって、被ばくによって与えられるデメリットよりも、正確な診断結果を得て病気を適切な治療法で治療するメリットの方が大きいと判断される場合が多いのです。

しかし、被ばく自体は少ないに越したことはないので、何度も撮影することは控えるよう徹底していますし、当院では患者ひとりひとりがどれだけ被ばくしているか管理できるようになっています。

ともタン:

検査にはそれぞれ意味があり、被ばくについても深刻に考える必要はないんですね。痛みについて、検査してくる医療スタッフによって変わるものでしょうか?

放射線技師:

大きくは変わりません。

石灰化など、マンモグラフィでないとわからない病変があります。だからこそ多くの乳腺を引き出し、撮影することが大事になってくるのです。「痛くしないでほしい」と言われることがありますが、仮に痛くなくても、圧迫や乳房の引き出しが不十分だと、観察すべき場所が見えなかったり、病変の描出自体ができず、正確で診断ができなかったり、と様々なデメリットが生じます。痛みの感じ方は人それぞれで、技師もなるべく痛みを軽減できるよう、注意を払っています。

撮影の際はぜひ一緒に頑張ってくださると嬉しいです!

ともタン:

乳房X線検査について分かりやすく教えてくださり、ありがとうございました。

どうしても痛みが強くてしんどい場合は、医療スタッフに相談しましょう。

では、また次回のともタンの院内散歩を楽しみにお待ちください!

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