第12回 ISO 15189
代表的な疾患とそれに関係する検査を、経験豊かな臨床検査技師「ケンさん」と高校生「リンちゃん」との対話形式で紹介していきます。


リンちゃん:
がんセンターの検査室でこんなポスターを見かけました。

ケンさん:
それは、ISO 15189認定のポスターだね。
リンちゃん:
ISO 15189認定って何ですか?
ケンさん:
ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、国際的な標準規格を制定する機関だよ。ISOは、製品、サービス、プロセス、システムに関する国際規格を開発し、国際取引をスムーズにするために、世界共通の基準を設けているよ。
その中で、ISO 15189は臨床検査の国際規格で、がんセンター検査部はISO 15189の認定を取得しているんだ。
リンちゃん:
認定を取得するとどうなるの?
ケンさん:
臨床検査室認定とは、臨床検査を実施する検査室の技術能力を証明する手段の一つなんだ。国際規格「ISO 15189(臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項)」に基づき、審査を受け、臨床検査を行う能力を有していることを認定されているんだ。
認定取得によって臨床検査の精度が確保され、それによって医療の品質が担保にされているよ。国際治験にも参加できるんだ。
リンちゃん:
いつから認定されているの?
ケンさん:
がんセンター検査部は、2017年2月21日に初回認定を取得し、その後、定期サーベイランス、再審査を受け、更新を継続しているんだ。
認定範囲には、一般検査、血液学的検査、生化学的検査、免疫学的検査、微生物学的検査、遺伝子染色体検査、病理学的検査、生理学的検査などが含まれているんだ。いずれもがん診療には不可欠な検査だよ。
リンちゃん:
認定施設は全国にどれくらいあるの?
ケンさん:
現在309の臨床検査室が認定を取得しているよ。
兵庫県の県立病院では3病院取得しているんだ。
リンちゃん:
患者さんにとって、より安全・適切・確実な医療を受けられるってことですね。
ケンさん:
今後もマネジメントシステムを維持しつづけ、検査室のさらなる信頼向上を目指していくよ。そして安心と信頼の臨床検査結果で患者さんへのサービス向上に努めていくよ。