歯科口腔外科の最新トピックス
歯科口腔外科 重田崇至医師 インタビュー
今回のインタビューは歯科口腔外科の最近の状況について、歯科口腔外科 重田崇至医師にお話を伺いました。
まず、歯科口腔外科についてお聞かせください。
私たちは兵庫県立がんセンターの歯科口腔外科として、口腔がんや前がん病変に対する診断・治療を中心としながら、地域の二次医療機関として悪性腫瘍以外の口腔外科疾患に対する診療も行っています。院内で多臓器のがんに対して手術、化学療法、放射線療法、緩和ケアを受けられる患者様を対象に歯科的介入する口腔ケアにも積極的に取り組んでいます。いずれの治療を始めるに際しても、患者さんへの丁寧な説明が何よりも大切だと考えています。また患者さんはもちろん、患者さんをご紹介頂いた先生方とも丁寧な連携を図り円滑な診療に心がけています。
歯科口腔外科での施術について教えてください。
口腔がんに対する標準治療は手術治療であり、しばしば治療により顎骨や歯牙を合併切除する必要があります。顎骨や歯牙は機能的・審美的に重要な構造であり、失われることにより治療後に大きなQOLの低下をきたすことが少なくありません。これまでも口腔がん治療により顎欠損を生じた患者さんには、従来の顎義歯が適応されてきましたが、手術後の口腔内は解剖学的条件が厳しく、残存歯が少ない場合などは、安定した顎義歯を入れることは困難なことが多いです。2012年の診療報酬改定により、がんなどに対する手術に起因する顎欠損を生じた、一部適応症の患者さんに、「広範囲顎骨支持型装置埋入手術、広範囲顎骨支持型補綴」として、保険診療によるインプラント治療を行うことができるようになり、当科でも2014年より導入しております(ただし、当科では歯周病や齲蝕で歯を失った方に対する自費診療のインプラントは行っておりません)。
口腔がんへの手術治療に伴う顎欠損に対するインプラントの保険診療が導入されて以降、当科では、“治療後の口腔機能回復も含めたがん治療”により積極的に取り組んでおり、希望患者さんも多くなっております。このように口腔がん治療後の顎欠損患者さんに広範囲顎骨支持型補綴治療を適応することは、伵合の再構築と顎口腔機能の回復に有用であると思われます。一方で義歯と接触する再建皮弁のvolume調整を行うための顎堤形成や、上顎への硬性再建など今後の課題もありますが、従来の義歯では十分な機能回復が行えなかった患者さんの口腔機能や審美性に改善がみられ、QOLの改善に寄与できると思われ、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。
最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。
診察を受けるためには原則として紹介状と予約が必要となります。初診の際は、かかりつけの医療機関から当院患者支援センター地域連携室を通じてご予約をお願いいたします。
※初診時に即日処置ができず、後日予約を取り直して頂くことがあります。
※持ち込み画像を当院で読影・取り込めないこともあり、あらためて撮影させて頂く場合があります。
重田医師、ありがとうございました。
