放射線診断・IVR科の最新トピックス
放射線診断・IVR科 西田義記医師 インタビュー
今回のインタビューは放射線診断・IVR科の診療状況について、放射線診断・IVR科 西田義記医師にお話を伺いました。
まず、放射線診断・IVR科についてお聞かせください。
当科では、放射線医学のうち放射線を用いた画像診断や画像誘導下の低侵襲な診断・治療技術であるインターベンショナルラジオロジー(IVR)を行っています。あらゆる診療科とかかわる画像診断では、X線、CT、MRI、消化管造影、核医学検査、PET-CT等の検査実施、読影業務を行います。血管系IVRでは、中心静脈ポート留置術や肝癌に対する肝動脈塞栓療法,上顎洞癌に対する超選択的動注化学療法,胃静脈瘤に対するバルーン閉塞下逆行性静脈瘤閉栓術など非血管系IVRでは、CT透視下での腫瘍生検、膿瘍ドレナージなどを行っています。
画像診断と平行してIVRを行っているわけですが、IVRとはInterventional Radiologyの略語(海外では 通常IRと訳されます。昔関西のとある偉い先生が「Interventional RadiologyをIVRと訳す」と仰ってから日本では IVRが広く定着しています。)で直訳すると「介入放射線」となりますが、これだと何のことだかいまひとつピンと来ない 方が多いと思われます。そこで国内でIVRを行っている医師が集まって作る「日本IVR学会」というところが数年前に「IVRは日本語で画像下治療と呼称する」と決めて今にいたっています。要は血管撮影を含むX線検査やCT、超音波などの画像を用いて外からは分からない体内の病変にカテーテルから薬剤を流したり、体外から直接針を穿刺して病変の一部を採取したり(生検)、ラジオ波を用いて焼灼したりすることです。
最近の診療実績はいかがでしょうか。
当センターで行うIVRは主にX線装置、CT、エコーがひとつの寝台で寝たまま行える血管撮影室で行っています。最近は年間600件前後の件数を施行しています。
一口にIVRと言っても様々な手技が含まれており当センターでは全身化学療法で用いる「中心静脈ポート(CVポート)の留置」やCTを用いて深部の腫瘍の一部を採取する「CTガイド下生検」、肝細胞癌に対するCTやエコーが開発される前の主たる診断法であった血管造影の技術を用いた「肝動脈塞栓術(TACE)」などが件数として多く行われています。
もう少し詳しく教えてください。
分かりました。
それでは、まだまだ施行件数が少ないものの近年保険適応が拡大された2つのIVR手技を紹介します。
まずは「大静脈ステント留置」です。
縦隔の悪性腫瘍や上腹部の悪性腫瘍の進展に伴って心臓へと還流する主血管である上大静脈や下大静脈が狭窄 すると狭窄部より末梢で浮腫や呼吸苦、腹水の貯留などの症状が急速に出現し悪性大静脈症候群と呼ばれます。金属ステントとはチタンなどを網状に形成した筒型の金属でこれまでは動脈や胆管にのみ使用可能でしたが、適応の拡大により狭窄した静脈(血管造影で位置、狭窄の程度、狭窄の長さを精密に評価)に留置して狭窄した部分を拡張させることで症状の改善を図ります。
次に「ラジオ波焼灼術(RFA)」です。
RFAはこれまでも肝細胞癌に対して保険診療が認められていましたが、適応拡大によって新たに腎がん、肺がん(原発性、転移性)、骨腫瘍、軟部腫瘍、骨盤部腫瘍なども治療できるようになりました。エコーで描出が難しい肺がんなどを当科ではこれまでのCTガイド下生検の技術を応用して電極を腫瘍に穿刺しラジオ波で焼灼を行っています。
最後に患者さんへのメッセージをお願いいたします。
当院での検査を希望される方は、お近くの診療所や一般病院の担当の先生と相談された後、当院地域医療連携室宛に検査の予約をお願いします。検査当日は、放射線科専門医が問診と検査の説明をさせていただき、造影検査の方には造影剤使用同意書にご署名いただきます。なお、検査の安全確保のため、ペースメーカーを装着されている方にはペースメーカーの機種名を、糖尿病治療中の方には薬剤名をお伺いします。
西田医師、ありがとうございました。
