がんセンターについて

院長あいさつ

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院長あいさつ

 当センターは、死亡原因の第1位を占めるがんに対する国の『がん対策基本法』に基づき2007年に施設名を兵庫県立成人病センターから『兵庫県立がんセンター』と変更し、『都道府県がん診療連携拠点病院』の指定をうけました。以来、県内外のがん診療の中核病院としてその重責を担っており、がん登録件数からも関西有数のがん専門病院です。

 外科系に関しては開腹・開胸手術から鏡視下手術、そしてロボット手術導入と進歩していく中で低侵襲~高難度手術まで件数も徐々に増加しています。また内科系を中心とする化学療法も抗癌剤・分子標的薬から免疫チェックポイント阻害剤まで多岐にわたり、臨床試験の増加も伴って外来化学療法をうける患者さんは著増しています。さらに放射線もその画像診断とともに従来の定位放射線に加え強度変調放射線(IMRT)・粒子線・密封小線源治療等多様性は急速に進歩し、集学的治療としても広く取り入れられています。がん治療の均てん化ともいわれる中、重複がんや複数の併存疾患のあるリスクの高い患者さん、一般的な治療法では打つ手がなく高度な専門知識を必要とする患者さんや特異な病態を有する患者さん等様々ながん患者さんも広く紹介されてきます。加えて昨年は『がんゲノム医療拠点病院』に国から指定され、ゲノム医療・遺伝子治療に対応する遺伝子パネル検査・エキスパートパネルにも積極的に取り組み、がん腫を越えた個別化治療が始まっています。

 こうした中で治療の質と安全性も担保し、かつ患者さんの社会的支援を充実させるためには、単一診療科や部門をこえて多診療科・多職種が関わる『チーム医療』が必須となります。特にがんと診断された当初から不安や悩みを相談できる緩和ケアセンターや地域の医療機関との連携を確実かつ円滑に遂行する地域医療連携室、また離職防止というコンセプトから就労支援やアピアランス、家族のサポートも考えるがん相談支援センター等の部門をさらに拡充し、皆さんにより身近に利用していただけるようになりました。

 現在がんセンターは、建物が築36年を迎え老朽化も著しいのですが、ようやく新築建替の基本計画に入っており、おそらく数年後には明石のこの地に念願の新しいがんセンターがオープンします。検診後の精査段階〜がんの早期診断からロボット手術やゲノム医療まで含めた最新治療、緩和医療の拡大、地域医療連携や社会的支援の強化、県民に対するがんについての積極的な広報活動なども推進し、がん患者さんにとってもっと幅広く利用しやすい病院をめざして準備を進めております。

 これからも個々の患者さんにとって最善・最良の治療が行えるよう職員一同努力していきたいと思いますので、今後ともご支援・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

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兵庫県立がんセンター 院長 富永 正寛