兵庫県立がんセンタートップページ > 放射線治療の効果と実績
放射線治療は、早期がんから進行がん、再発・転移したがんまで、様々な効果が期待できます。完全な治癒を目的とした「根治的照射」をはじめ、がんによって起こる症状を緩和する「緩和的照射」にも用いられます。
放射線治療は、外科手術・化学療法と並び、がん治療の3本柱です。日本では「がんは切るもの」という意識が強く、欧米に比べて放射線治療を受ける患者さんの割合が少ないのが現状です。しかしながら、2007年に施行された『がん対策基本法』でも触れられているように、日本でも放射線治療や化学療法の重要性が高まってきており、人材の育成や環境整備が急がれています。
このような現状に先駆け、当院では保険診療・自由診療ともに可能な放射線治療を行っています。特に、IMRTやSBRTと言った高精度放射線治療は、副作用を最小限におさえて、がんの種類によって手術と同等の治療効果が期待できます。
緩和的照射は進行がんや再発・転移がんが対象となります。がんのコントロールが難しいと判断された場合に行われ、下記のようにがんによって起こる症状を緩和する効果があります。
放射線治療では、骨転移による痛みを和らげ、消失させることが可能です。
肺がんの場合は血痰、胃がんや大腸がんの場合は下血することがあります。緩和照射はそう言った場合の止血にも有効です。
食道がんによって食道が狭くなってしまった場合や、肺がん等によって気道を圧迫して息苦しくなってきた場合にも放射線治療が用いられます。
リニアック装置・Novalis Tx (Varian)
リニアック装置・KD2 PRIMUS (東芝)
治療計画装置
・Eclipce(Varian)3台
・iplan(Brainlab) 1台
・XiO(エレクタ) 2台
・Oncentra® Brachy(千代田テクノル) 1台
CR装置
・FCR2000(富士フィルムメディカル)
密封小線源治療用CT
Aquilion™ LB1
密封小線源治療装置
マイクロセレクトロンHDR-V31
治療部位 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 |
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脳脊髄 | 11 | 9 | 4 | 11 | 13 | 9 | 19 |
眼窩 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
頭頸部 | 111 | 105 | 81 | 85 | 110 | 76 | 97 |
肺気管縦隔 | 145 | 141 | 119 | 127 | 142 | 168 | 148 |
乳腺 | 132 | 154 | 103 | 94 | 126 | 118 | 132 |
食道 | 63 | 51 | 83 | 54 | 57 | 66 | 55 |
胃十二指腸小腸 | 6 | 8 | 3 | 8 | 7 | 7 | 15 |
大腸直腸 | 14 | 8 | 13 | 7 | 18 | 11 | 12 |
肝胆膵 | 11 | 12 | 16 | 15 | 13 | 14 | 13 |
婦人科 | 103 | 106 | 101 | 92 | 82 | 103 | 93 |
泌尿器系 | 43 | 52 | 46 | 45 | 78 | 75 | 70 |
造血器リンパ系 | 58 | 45 | 38 | 34 | 51 | 51 | 52 |
皮膚 | 12 | 7 | 8 | 8 | 6 | 8 | 10 |
骨軟部 | 13 | 5 | 7 | 15 | 15 | 8 | 5 |
原発不明 | 4 | 6 | 9 | 13 | 6 | 6 | 5 |
その他 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 726 | 710 | 631 | 608 | 724 | 720 | 726 |
(人数)
・小線源治療 54例
・強度変調放射線治療 92例
・定位放射線治療 15例
・全身照射 6例